就労ビザの取得って難しい?!種類や条件・申請方法をまとめて解説!

就労ビザの取得って難しい?!種類や条件・申請方法をまとめて解説!

目次

この記事では、「就労ビザ」をテーマにその種類や取得条件、申請方法などについて解説をしていきます。就労ビザは、日本で外国人を雇用する上で必要なものとなります。今後、外国人の雇用を検討したい方や、既に外国人の雇用をされている方もぜひ最後までご覧ください。

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就労ビザって何?!

まずはじめに、就労ビザとはそもそも何か?について確認をしていきましょう。

就労ビザと在留資格の整理

まず、外国人が日本国内で、会社員や経営者、個人事業主として「収入を伴う事業を運営する活動や報酬を受ける活動(=仕事)」を行うためには、就労可能な「在留資格」が必要です。

これらを総称して「就労ビザ」とよく巷では言われています。

そもそも在留資格とは、「外国人が日本に在留し、何かしらの活動を行うために必要となる資格」のことを指しており、その活動の種類によって29の在留資格が存在しています。

在留資格一覧
出典:出入国在留管理庁「外国人材の受け入れ及び共生社会実現に向けた取組

さらに、在留資格ごとに就労の可否や業務内容まで決められており、就労制限が一切ない「永住者」などの居住資格を除くと、就労可能な在留資格(就労ビザ)は現在19種類です。それぞれについては後述します。

一般的に、在留資格=ビザと言われることも多いですが、正確に定義するとそれぞれは全くの別物です。ビザとは査証とも呼ばれ、日本に入国する前に発行される入国許可証のことを指しており、在留資格は来日後の活動を規定した資格のことです。

不法就労に注意

外国人を雇用する際、就労不可の在留資格を持っている外国人はもちろん雇用できません。かといって、就労ビザを持っていても誰でも雇用できる、というわけでもないのです。

就労ビザは19種類の在留資格に分かれますが、その在留資格ごとに就労可能な業務内容が決まっており、雇用する外国人が有する在留資格と雇用後の業務内容がマッチしていない場合は不法就労とみなされる場合があります。

もし不法就労をさせてしまった場合は、外国人本人だけでなく雇用した側も不法就労助長罪に問われ、処罰対象になるため、雇用予定の外国人の在留資格をしっかりと確認することがとても重要です。

就労ビザにはどんな種類がある?!

就労ビザは現在19種類の在留資格ですが、具体的には以下の通りです。

それぞれの在留資格の詳細は以下で説明します。

技術・人文知識・国際業務

最もポピュラーな就労ビザが在留資格「技術・人文知識・国際業務」です。

この在留資格は、それぞれの頭文字から「技人国(ギジンコク)」とも呼ばれ、大まかに言うと、エンジニアやオフィスワーカーとして働く場合に必要な在留資格です。

法令的に業務内容の要件は、

「自然科学や人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務、又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務」

とされております。

1種類の在留資格ではありますが、「技術」「人文知識」「国際業務」と3つの異なる分野での就労予定者を対象としており、それぞれどのような業務に従事できるかも異なります。

以下にそれぞれの業務内容の定義や職種の具体例をあげていきます。

技術

理学、工学その他の自然科学の分野に属する技術もしくは知識を有する業務

具体例:機械設計や回路設計などに従事する機電系エンジニアや、アプリケーションやシステムなどを開発するシステムエンジニア、プログラマー、情報セキュリティエンジニア、など

人文知識

法律学、経済学、社会学その他人文科学の分野に属する技術もしくは知識を要する業務

具体例:企画、営業、マーケティング、広報、経理、人事、法務、総務、コンサルティング、商品開発、など

国際業務

外国の文化に基盤を有する思考もしくは感受性を必要とする業務

※単に外国人であるだけではなく、日本国内の文化の中では身につかない思考・感受性に基づく一定の専門的業務である必要があります

具体例:翻訳、通訳、語学の指導、海外取引業務、デザイナー、貿易、通訳が主業務のホテルマン、など

技人国の在留期間は、5年、3年、1年または3ヶ月とされており、更新回数の制限がないため、更新が許可される限り永続的に在留することが可能です。

また、配偶者や子供に限り家族帯同も認められているのも特徴です。

技能実習

在留資格「技能実習」は、技能実習制度に基づき、外国人が日本の技能、技術、知を日本国内で学び、母国に持ち帰るための在留資格です。

この在留資格を有する外国人を技能実習生と呼び、彼らが従事可能な職種としては、基本的には以下の表に記載の90職種・165作業が該当してきます。

表に記載のない職種・作業であっても、「同一の作業の反復のみによって習得できるものではないこと」かつ「適切な技能実習計画を作成し、認定を得る」ことができれば、1年のみ技能実習生として日本へ呼び寄せることが可能です。

技能実習制度における移行対象職種・作業一覧
出典:外国人技能実習機構|移行対象職種情報「技能実習移行対象職種(令和5年10月31日時点)

また、在留期間は最長5年間ですが、1年目、2-3年目、4-5年目で在留資格の区分が分かれており、それぞれ技能実習1号、2号、3号と在留資格の変更と更新が必要です。

また、技能実習は制度上、様々な登場人物(機関、団体等)やルールがあるのも特徴です。

特定技能

在留資格「特定技能」は、日本国内では充分な人手確保が難しい、特定産業分野の12分野14業種において、即戦力となる外国人労働者の雇用が可能な在留資格です。

これまで技人国の在留資格では従事できなかった、単純労働を含む作業に従事可能な就労ビザです。

特定技能は1号、2号の2つの区分がありますが、2号については1号からの移行のみで取得ができます。

それぞれの在留期間や対象分野・業種については以下の通りです。

特定技能1号

特定技能1号の対象分野は以下です。

また、特定技能1号は「特定産業分野ごとの相当程度の知識又は経験を必要とする技能が求められる」とされているため、各分野ごとに実施される特定技能評価試験(後ほど解説)と、日本語能力試験(N4相当)に合格しなくてはなりません。

在留期間は、1年、6ヶ月、4ヶ月で、更新が可能ですが在留期間上限は「5年」となっているため、別の在留資格へ変更しない限りは帰国しなくてはなりません。また家族の帯同は認められておりません。

特定技能2号

特定技能2号は、1号からの移行が前提ですが、1号の介護分野を除く11分野が対象です。

「長年の実務経験等により身につけた熟達した技能が求められる」こととなっており、それぞれの分野によって2号移行の要件が異なります。

在留期間は3年、1年、6ヶ月ですが、更新回数の制限はなく、要件を満たすことで家族の帯同も可能です。

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経営・管理

在留資格「経営・管理」とは、日本において貿易その他の事業の経営を行い、又は当該事業の管理に従事する活動を行うための在留資格のことです。

大まかに言うと、外国人が日本で会社を設立したり、経営したり、管理職で仕事をするための在留資格で、業種・業態の制限がないための、役職や立場に伴う就労ビザと考えてよいでしょう。

具体的な役職例としては、

  • 代表取締役や取締役
  • 監査役
  • 部長や支店長
  • 工場長

のような事業を経営する立場や管理する立場にある役職が挙げられます。

在留期間は5年、3年、1年、6ヶ月、4ヶ月、3ヶ月で、在留期間の通算上限などは設けられていません。

また、配偶者や子供に限り家族の帯同が可能です。

介護

在留資格「介護」は、介護福祉士の資格を有する外国人が、日本で介護または介護の指導を行う業務に従事するための在留資格です。

他にも介護業務に従事できる在留資格としては、特定技能、技能実習、特定活動のEPA介護福祉士候補者がありますが、大きな違いは、介護福祉士の資格を有しており、従事できる介護業務に制限がないことです。

そのため、他の介護系在留資格では就労が出来ない、訪問系の介護サービスでも就労が可能です。

在留期間は、5年、3年、1年、3ヶ月となっており、在留期間の通算上限などは設けられていません。

また、配偶者と子供に限り家族の帯同が可能です。

在留資格「介護」の取得要件は、介護福祉士の資格を有する以外にも、日本の介護事業所との雇用契約が必須であったり、報酬条件など、細かい点もあるため、是非「【在留資格「介護」とは】概要や取得要件、採用までの流れを解説」の記事もご覧ください。

その他まとめ(一覧表)

その他の就労可能な在留資格は以下の表の通りです。

在留資格
概要
外交
外国政府の大使や公使、およびその家族のための在留資格
公用
外国政府の大使館や領事館の職員、およびその家族のための在留資格
教授
日本の大学や高等専門学校において研究、研究指導、教育をするための在留資格
芸術
収入を伴う音楽、美術、文学などの芸術上の活動をするための在留資格
宗教
外国の宗教団体によって、布教や宗教上の活動をするための在留資格
報道
外国の報道機関との契約に基づいて行う取材のような報道上の活動をするための在留資格
高度専門職
1号:日本の公私の機関で研究、研究指導、教育をする活動、またはて自然科学や人文科学の分野に属する知識・技術を要する業務に従事する活動、または経営・管理を行うための在留資格
2号:1号に掲げる活動を行った者であって、その在留が日本の利益に資するものとして法務省令で定める基準に適合するものが行うための在留資格
法律・会計業務
外国法事務弁護士や外国公認会計士など、法律上資格を有する者が法律・会計に係る業務に従事するための在留資格
医療
医師や歯科医師など、法律上資格を有する者が医療に係る業務に従事するための在留資格
研究
大学以外の公私の機関で研究を行うための在留資格
教育日本の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、専修学校で語学教育を行うための在留資格
企業内転勤
日本企業の海外支店から日本への転勤者が、「技術・人文知識・国際業務」で該当する業務を行うための在留資格
興行
劇、演芸、演奏、スポ―ツなどの興行に係る活動や芸能活動をするための在留資格
技能産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事するための在留資格

在留期間は在留資格ごとに異なりますが、15日~5年などです(「外交」は外交活動を行う期間、「高度専門職2号」は無期)。

就労ビザを取得するのは難しい?

ここからは就労ビザの取得に関して、不許可事例や具体的な取得要件を見ていきましょう。

入管申請・審査が必須 | 不許可になることも

外国人を雇用するには就労ビザが必要ですが、就労ビザ取得に関しては、出入国在留管理庁への在留資格申請をしなければなりません。

基本的に申請は新規、変更(他からの切替)の2パターンですが、どちらのケースも、出入国在留管理庁による申請書類や内容等の審査が必須であり、不許可になることもあります。

ケースバイケースのため一概には言えませんが、不許可になる場合として多いのが、業務内容の関連性が認められない場合です。

出入国在留管理庁が公表している不許可事例を挙げると以下の通りです。

国際ビジネス学科において,英語科目を中心に,パソコン演習,簿記,通関 業務,貿易実務,国際物流,経営基礎等を履修した者が,不動産業(アパート 賃貸等)を営む企業において,営業部に配属され,販売営業業務に従事するとして申請があったが,専攻した中心科目は英語であり,不動産及び販売営業の知識に係る履修はごくわずかであり,専攻した科目との関連性が認められず不許可となったもの。

こちらの方は、大学などを卒業後に「技人国」の就労ビザにて不動産会社で働くために在留資格申請をしたにも関わらず、学校で専攻し学んだ科目・内容と雇用後に行う業務との関連性が認められなかったケースです。

このように、業務内容の関連性については、大学などでの専攻と業務の関連性が認められないケースが多いです。

また、その他では外国人留学生のオーバーワークや申請内容に虚偽があるなどが不許可になるケースとして多いです。

就労ビザの取得条件

就労ビザの取得要件は、各在留資格によって異なります。

ここでは「技人国」と「特定技能」の在留資格を例に挙げて見ていきます。

「技人国」の場合

技人国ビザを取得するには、学歴要件を満たす必要があり、原則として以下の3パターンのどれかに当てはまる外国人とされています。

  • 母国の大学、短大、大学院を卒業(学士や短期大学士以上の学位を取得)
  • 日本の大学、短大、大学院を卒業(学士や短期大学士以上の学位を取得)
  • 日本の専門学校を卒業している(専門士の称号を取得)
    ※外国の専門学校は対象となりません

上記を満たしていなくても対象となる特例が2つあり、「一定以上の実務経験者(技術・人文知識は10年以上、国際業務は3年以上)」と「日本や母国の情報処理技術の有資格者」ですが、あまり多くはないでしょう。

加えて、業務内容要件は、前述の通り、学歴(職歴)と職務内容の関連性があることが必須です。

また、業務内容に「専門性」があることも重要な要件です。専門知識、技術を必要としないような「単純作業」は認められていません

それ以外にも、

  • 日本人と同様以上の報酬であること
  • 勤務先となる企業に安定性、継続性があること
  • 申請する外国人の素行が不良でないこと(オーバーワークなども素行不良)

といった要件があったりしますのでご注意ください。

「特定技能」の場合

特定技能を取得するには、以下の2つの要件を満たすことが求められます。

  • 分野ごとにある技能評価試験の合格
  • 日本語能力試験で一定水準以上

日本語能力試験は2種類あり、日本語能力試験(JLPT)ではN4以上、国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)ではA2レベル以上の水準が必要です。

上記以外の特例として、「技能実習2号を良好に修了または、技能実習3号の場合は実習計画を満了」し、「技能実習時の職種・作業内容と、特定技能1号での職種が一致」する場合、先にあげた試験に合格する必要はありません。

上記のように在留資格ごとで取得要件が大きく異なるため、申請する在留資格の要件は細かく確認しましょう。

就労ビザの具体的な申請方法は?

ここからは就労ビザの具体的な申請方法について見ていきます。

国内在住 or 海外在住によって申請方法が異なる

前述の通り、就労ビザの申請方法は新規、変更(他からの切替)の2パターンあり、それぞれ以下のようになっています。

また、在留資格を変更をする必要がないような転職の場合は、「就労資格証明書交付申請を行いましょう。ただし、特定技能の場合の転職は②が必要になるので注意しましょう。

また、就労ビザの申請は、例えば「技人国」では、申請受理後1ヶ月〜3ヶ月の審査期間があります。書類不備の場合は、申請受理もされず審査には進みません。

また、入社が多い時期などの前は混みあう可能性がありますので、それらも見越した早めの申請をしましょう。

①②それぞれの申請詳細については以下で見ていきましょう。

① 在留資格認定証明書交付申請

まずは「在留資格認定証明書交付申請」ですが、申請者は外国人本人も可能ですが、慣れないやり取りなどがスムーズに出来ないことも多いため、一般的には受け入れ先の企業が行うことになります。

申請のステップについては以下の通りです。

在留資格認定証明書交付申請のステップ

ステップ①:「在留資格認定証明書」の申請

在留資格認定証明書交付申請書と以下の必要書類を用意し、出入国在留管理庁の窓口もしくはオンラインにて申請をします。

  1. 在留資格認定証明書交付申請書 1通
  2. 写真(縦4cm×横3cm)1葉(申請書に添付して提出)
  3. 封筒(定形封筒に宛先を明記の上、必要な額の郵便切手を貼付)1通
  4. 日本の活動内容に応じた資料や証明書

在留資格によって必要な書類が異なるため、必ず出入国在留管理庁HPから詳細を確認するようにしましょう。

ステップ②:「在留資格認定証明書」の交付

出入国在留管理庁の審査で許可がでると、在留資格認定証明書が送付されます。

ステップ③:「在留資格認定証明書」を本人に送付

交付された証明書を海外の外国人本人に送付します。

ステップ④:外国人本人が日本大使館に査証(ビザ)を申請

本人が、送付された「在留資格認定証明書」を含めた必要書類を準備し、在外日本公館にてビザ申請を実施します。通常であれば、受理翌日から最短5営業日以内に発給されます。

ステップ⑤:来日、入国

原則、在留資格認定証明書作成日から3ヶ月以内に日本に入国しなければなりません。

② 在留資格変更許可申請

在留資格変更許可申請は、既に在留している外国人の雇用のため、申請は原則外国人本人が行います。

ステップについては以下の通りです。

在留資格変更許可申請のステップ

ステップ①:「在留資格変更許可」の申請

在留資格変更許可申請書と以下の必要書類を用意し、外国人本人が、出入国在留管理庁の窓口もしくはオンラインにて申請をします。

  1. 在留資格変更許可申請書 1通
  2. 写真(縦4cm×横3cm)1葉(申請書に添付して提出)
  3. パスポート及び在留カード 提示
  4. 日本の活動内容に応じた資料や証明書

こちらも変更する在留資格によって書類が違ってくるため、必ず出入国在留管理庁HPで確認しましょう。

ステップ②:結果ハガキ(通知書)が届く

出入国管理庁から許可が降りると、本人宛にハガキ(通知書)が届きます。

ステップ③:新しい在留カードの発行手続き

外国人本人が、届いた通知ハガキと必要書類(申請受付表・パスポート・在留カード・手数料納付書としての4,000円の収入印紙)を出入国在留管理庁へ持参し、新しい在留カードの発行手続きをします。その場で新しい在留カードを受け取ることができます。

就労ビザ取得後、一定期間ごとの更新が必須

一度就労ビザを取得したら終わりではなく、就労ビザには在留期限(=在留資格の有効期間) があるため、一定期間ごとに更新をする必要があります。この手続きのことを在留期間更新許可申請と呼びます。

もしこれらを忘れてしまうと、オーバーステイとして不法滞在者(犯罪)扱いになってしまい、雇用側も法的責任(不法就労助長罪)が問われる場合があるため、忘れずに対応をしましょう。

申請は、原則外国人本人が行い、6ヶ月以上の在留期間を有する外国人は、在留期限の3ヶ月前から最寄りの出入国在留管理庁にて可能で、費用は4,000円かかります。

就労ビザ取得者はアルバイトや副業が可能?!

就労ビザを持っている外国人は、アルバイトや副業はできるのでしょうか?

結論、可能ですが在留資格次第です。

基本的に、本人が有している就労ビザ(在留資格)が「特定技能」「技能実習」などの副業NGな在留資格でなければ、その在留資格で認められている活動範囲内であれば副業やアルバイトは禁止されていません。

また、有している在留資格で認められていない業務でも、「資格外活動許可(個別許可)」が取得できれば可能になります。

  • 副業、アルバイトが認められていない在留資格でないこと
  • 在留資格で認められている活動範囲内の業務内容であること
  • 資格外活動許可が取得できれば、活動範囲外の業務も可能

と、なっています。

もちろん、本業に支障がない時間や場所での範囲外しか認められず、本業の勤務先にも許可を取っておく必要があります。

就労ビザ外国人の副業、アルバイトについては「就労ビザで働く外国人は副業やアルバイト可能?条件や注意点を解説!」の記事をご覧ください。

また、就労ビザを持つ外国人を派遣社員での間接雇用も可能で、この場合、雇用主は派遣元の会社となります。

ただし、以下のような禁止事項があるのでご注意ください。

  • 派遣労働が禁止されている業務を行わせることはできない
  • 派遣業許可がある派遣会社から受け入れなければならない
  • 在留資格で認められている活用範囲外の業務はさせられない
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就労ビザを持つ外国人を採用するには?

ここからは、実際に就労ビザを持っている外国人を採用するための具体的な手法について見ていきましょう。

求人サイトや自社サイトによる募集

まずは、求人サイトや自社サイトへ求人情報を掲載し募集する方法です。日本人雇用でも一般的な手法のため、比較的簡単に始められるでしょう。

しかし、求人サイトによって費用、応募数、応募者のレベルがバラバラであったり、自社サイトを含む無料求人サイトの場合は有料よりも工数がかかったりと、サイトの選定が難しく、かつ、希望通りの人材が確保できない場合もあります。

ハローワーク

外国人の採用でも、ハローワークを利用することは可能です。

ハローワークは無料で求人を掲載することができるほか、条件を満たせば助成金を活用できるというメリットもあります。

また、近年外国人の利用も増えたことより、外国人専門の就職相談員や複数言語での通訳を設置していたりと、外国人求職者が仕事を探しやすい環境になってきています。

人材紹介会社の活用

最も簡単な手法としては、人材紹介会社の活用です。

紹介会社は求人票のサポートから求める人材を集め、面談の設定などをしてくれます。また、外国人材を紹介している会社は在留資格等のサポートまで行っているケースもあり安心です。

初めて外国人を雇用する企業や、できるだけ早く採用したい等の場合におすすめです。

送り出し機関には要注意

送り出し機関とは「日本で働きたい外国人を募集し、日本へ送客する外国の機関」のことです。

彼らは、日本で働きたい外国人が出国するまでの期間に日本語教育を実施したり、現地国における出国手続きを一部代行したり等、単純に人材を集客する以外の活動を行っているケースが大半です。

しかしながら、悪質な送り出し機関も多く存在しているのも実情で、外国人に高額な費用を請求したり、レベルの低い日本語教育を行ったり…など、トラブルも多いのが実情です。

送り出し機関を通して外国人を採用する際は、真っ当な機関かをしっかりと見極める必要があります。

外国人雇用時の注意事項は?

ここでは就労ビザを持つ外国人を雇用した際の注意事項を見ていきましょう。

不法就労助長罪に注意する

改めてになりますが、就労不可の在留資格はもちろんですが、就労ビザを持っていたとしても在留資格ごとに従事できる業務内容が決まっています。

認められた活動範囲外の業務に従事をさせた場合は、雇用主も不法就労助長罪に問われてしまうので十分に注意しましょう。

就労ビザ取得時に出入国在留管理庁の審査で不許可になるのであれば罪には問われませんが、「バレないから大丈夫だろう」と、許可を取るうえで虚偽の申請をしたり、許可を受けた範囲を超える業務をさせるなどは、後々取り返しのつかないことになる可能性があります。

また、受け入れ企業側が不法就労の事実を知らなかったとしても、確認を怠ったなどの過失がある場合も処罰の対象になるため、外国人を雇用する際は、在留資格の確認には細心の注意を払いましょう。

大手人材会社PASONAが運営する「企業法務ナビ」のニュースでも以下のような飲食店での不法就労助長罪の記事が取り上げられています。

企業法務ナビ|調理の在留資格ない外国人を違法に働かせた疑い、「ジャパンチキンフードサービス」社長ら逮捕

人材不足だからといって、不法就労をさせることのないように気をつけましょう。

早期離職の防止及び定着施策への投資

ここまでみてきた通り、外国人雇用には様々な手続きを経て、初めて雇用することができます。特に、内定から入社まで時間のかかるケースもあったりするため、時間と費用を日本人と比較すると多く消費します。

よくあるのが、苦労してやっと入社したと思いきや、3-6ヶ月で早期退職に至ってしまうケースです。これは、転職に対するネガティブなイメージがない等、文化的な背景も相まって、結構頻発します。

実際に、新卒で入社した会社を6ヶ月で辞め、弊社に転職してくる外国人従業員もいます。

話を聞くと「面接時に聞いていた業務内容と入社後の業務内容が異なる」、「外国人だけ明らかに給与・待遇面で差別されている」、「単純作業ばかりでキャリアプランを描けない」など、辞めて然るべき理由ばかりです。

外国人雇用に取り組まれる企業様については、しっかりと受け入れ体制を築いた上で定着施策に投資をするという、極めて当たり前な考え方を取り入れ、実践していく必要があると言えるでしょう。

まとめ

今回は就労ビザについてでしたが、いかがでしたでしょうか。

一括りに「就労ビザ」と言っても、在留資格ごとに活動内容が制限されています。

これから外国人採用を検討する場合は、専門家や外国人専門の紹介会社などに相談することをおすすめします。

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在留資格
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菅原 勇人

株式会社ジンザイベース営業リーダー兼日々育児に奔走する一児のパパ。 1991年、「日本一暑い街」として有名な埼玉県熊谷市に生まれる。それが講じてか、何ごとにも熱く全力で取り組むことがモットーである。2017年に早稲田大学大学院卒業後、建設会社へ就職。5年間、主に営業として活動を行い、次々に大型案件に携わる。だが、職務を遂行する中で、工場や工事現場での外国人の待遇に疑問を感じ、現職へ転職を決意。特定技能外国人の紹介を通じ、外国人労働者の地位向上そして働く人全員の様々な可能性を最大化できることを目標としている。仕事のかたわら、資格取得にもチャレンジし、ビジネス実務法務検定2級や宅地建物取引士、行政書士など法務系の試験に次々に合格。現在も引き続き資格取得のため学習を続け、法務知識も併せ持つ営業として唯一無二の営業スタイルの確立を目指す。趣味は、野球観戦と読書、ドライブ。