在留資格

【外国人労働者の永住権】概要や申請方法、帰化との違いなどを簡単に解説

この記事では、永住権の基本的な知識に加え、帰化との違いや取得メリット、申請方法などをまとめて解説していきます。外国人労働者の永住権に関して基本的な知識を得たい方は、是非最後までお付き合いください。

目次

永住権とは

まずは永住権とは何かについてお話していきましょう。

永住権の概要

永住権とは、身分系在留資格である「永住者」に紐づく権利であり、在留期間の定めがなく、日本に滞在することができます。

永住権には活動制限が定められておらず、職種や業種を問わず就労することが認められています。

日本において特定の要件を満たすことで取得することが可能です。

永住権を取得するために必要な要件については後ほどお話します。

なお、永住等の在留資格については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
▶︎【在留資格とは】種類や取得要件、ビザとの違いなどを簡単解説

永住者数の近年の推移

日本にはどれくらいの永住者がいるのでしょうか。

近年の推移とともに確認してみましょう。

在留外国人数の推移(在留資格別)
グラフ引用:令和2年6月末現在における在留外国人数について 法務省

上記の法務省が公表しているデータを見てみると、永住者は他の在留資格よりも多い人数がおり、増加傾向にあることがわかります。

2020年6月末現在においては800,872人となっており、二番目に多い技能実習の402,422人の約二倍の人数がいるのです。

後ほどご紹介する特別永住者と併せれば、100万人を超える規模を誇っています。

在留者数の統計データについては、こちらの出入国在留管理庁HPをご覧ください。

永住権を取得するための要件

日本国において永住権を取得するには以下の3つの要件をクリアする必要があります。

要件①:素行善良要件

一つ目の要件は素行善良要件です。

日本国における素行が善良であることを要件としており、法令違反の有無や納税状況などを考慮した上で、総合的に判断されます。

要件②:独立生計要件

二つ目の要件が独立生計要件です。

日本で永住権を取得するには、独立した生計を営む上で必要な資産や技能を有していること、つまり生活保護などに頼ることなく独立して生活していける能力を有している必要があります。

要件③:国益適合要件

最後は国益適合要件です。

当該外国人の永住が日本にとって利益があると法務大臣が認めたときに、永住権が取得できます。

日本で長期における就業経験があるといったことが要件に挙げられますね。

永住権と帰化の違い

永住権はよく帰化と混同されますが、大きく意味合いの異なる概念です。

永住権は先ほどお話した通り、日本で期間の定めなく滞在できる在留資格です。

あくまで在留資格であり、当該外国人の国籍は日本ではありません。

そのため一度母国へと帰国し、再び来日する場合は改めて再入国手続きなどが必要です。

対して帰化は、外国人が日本の国籍を取得して日本人になることを意味します。

つまり、あらゆる条件が日本人と同様になります。

再入国手続きなどもなく、参政権などの権利も持っている上、戸籍も取得できるわけですね。

帰化は一生日本に住むという前提であるため、もし将来的に母国へ帰国する予定があるのであれば、永住権を取得すべきと言えます。

永住者とは

先程永住権は在留資格である「永住者」に伴う権利であるとお話しました。

ここからは永住者について、より詳しく見ていきましょう。

一般永住者

永住者には「一般永住者」と「特別永住者」の2種類存在します。

まずは一般永住者について確認していきます。

日本における永住者の大半は一般永住者です。

先程ご覧いただいたグラフを見ても、一般永住者が約80万人で、特別永住者は約31万人程度となっていましたね。

一般永住者は先ほどお伝えした3つの要件の前に、日本に原則10年以上継続して在留しているという大前提の条件が存在します。

これら全ての要件を満たした場合、外国人は「一般永住者」の資格を得ることができます。

ただし特定の条件を満たせば、10年未満の在留でも資格を得られる特例措置があります。

詳しくは後ほどご紹介します。

特別永住者

対して特別永住者は、1991年に施行された「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法」によって定められた在留資格を持つ外国人のことを指します。

第二次世界大戦中やそれ以前に、日本に占領された結果日本国民となった外国人は、サンフランシスコ平和条約により、日本国籍を離脱する結果となりました。

そういった外国人に対して、日本への永住を認め、特別永住者としたわけです。

また特別永住者となった人たちの子孫も対象となり、両親のどちらかが特別永住者であった場合、永住許可申請が可能となっています。

一般永住者と特別永住者の雇用面での違い

雇用する上での一般永住者と特別永住者の違いは以下の2点です。

在留カードの有無

一般永住者は在留カードが交付されていますが、特別永住者は在留カードの代わりに特別永住者証明書が交付されています。

外国人雇用状況届出の要否

一般永住者を雇用する場合、外国人雇用状況届出をハローワークに届け出る必要がありますが、特別永住者の場合は必要ありません。

なお、外国人雇用状況届出に関しては以下の記事をあわせてご確認ください。
▶︎【外国人雇用状況届出とは】手続き概要や様式、提出方法などを解説

定住者との違い

先程永住権と帰化の違いについてお話しましたが、永住者と定住者もよく混同されますので、その違いを簡単にお話しておきましょう。

定住者とは法務大臣が特別な理由を考慮した上で、一定の在留期間を指定して居住を認める者、及びその在留資格のことを指します。

定住者の具体例としては

  • 日系人
  • 定住者の実子
  • 日本人や永住者の配偶者の実子
  • 日本人や永住者・定住者の6歳未満の養子
  • 日本人や永住者と結婚後、3年以上経過してから離婚した人

等が挙げられます。 

永住者と異なり在留期間に定めがある上、在留資格の更新手続きが必要となります。

定住者については、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
▶︎【在留資格「定住者」とは】概要や取得要件、取得までの流れを解説

永住権のメリット

ここからは永住権の取得メリットを、企業側と外国人労働者側の2つの視点から見ていきたいと思います。

永住者を採用する企業側のメリット

永住者を採用する企業側のメリットについてお話していきましょう。

企業側のメリット①:期間の制限なく働いてもらうことができる

永住者を採用する最大のメリットは、「期間の制限なく働いてもらうことができる」という点でしょう。

永住者は先ほどお伝えした通り、在留期間に制限がありません。

そのため採用する企業側としても日本人と同様に期間制限なく働いてもらうことができるのです。

企業側のメリット②:どんな仕事でも任せることができる

また永住権には他の就労系在留資格にはある活動制限がないのです。

そのためどんな仕事でも任せることができると言え、外国人労働者の活用の幅が拡がるという点はメリットと言えるでしょう。

永住権を取得する外国人労働者側のメリット

永住権を取得する外国人労働者側のメリットも併せて確認しておきます。

外国人労働者側のメリット①:在留資格の更新手続きがない

外国人労働者側のメリットとしてまず挙げられるのが、在留資格の更新手続きがない点です。

そのため煩わしい手続きから解放され、それらに割いていた神経を仕事などに集中することができます。

外国人労働者側のメリット②:活動制限がない

これは企業側のメリットでも述べた話ですが、永住権には活動の制限がありません。

仕事内容も自分の好きなように選ぶことができ、仮に仕事がなくなっても、在留資格の取り消しなどの恐れもないので、安心して働くことができるのです。

永住権の申請方法

最後に永住権を申請するにはどうすればいいのかを確認していきましょう。

申請方法

まず永住権の申請方法の概要を確認していきます。

永住権を取得するには「永住許可申請」を行うことになります。

ここまで解説してきた各種要件を基とするものの、最終的に法務大臣の裁量で判断されるため、仮に全ての要件に該当していても不許可となる可能性があることは留意しておくべきでしょう。

永住許可申請はその他の申請よりも審査期間が長く、短くても4か月、長ければ1年程度かかるケースもあります。

申請に必要な書類

永住権申請に必要な書類は以下の通りです。

  • 申請書
  • 写真
  • 立証資料
  • 在留カードの提示
  • 資格外活動許可書が交付されている場合は提示
  • ビザや在留資格証明書の提示
  • ビザや在留資格証明書を提示できない場合は、その理由を記載した理由書

基本的には上記の書類となりますが、ケースによっては書類が異なる場合があるので、詳細は出入国在留管理庁のWebページをご確認ください。

永住権取得に関する特例

永住権取得に際しては、10年以上日本に滞在していることが求められますが、以下の条件に当てはまる場合は特例措置として、申請許可に必要な在留期間が短縮されます。

  • 日本人や永住者、特別永住者の配偶者又は子供である
  • 定住者の在留資格を持っている
  • 難民認定を受けた
  • 高度専門職において、ポイント70以上で諸要件に該当する場合
  • 高度専門職において、ポイント80以上で諸要件に該当する場合
  • 日本への貢献が著しい場合

詳細については、同じく出入国在留管理庁のWebページをご参照ください。

永住権取得後の注意点

永住権を取得しても以下の点については注意が必要です。

注意点①:出国時に再入国許可が必要

一つ目の注意点として挙げられるのが、出国時に再入国許可が必要となる点です。

永住者の再入国許可の数次は、最長である3年間が無条件で付与され、3年間の間は海外に滞在することができます。

再入国許可については、以下の記事で詳細をご確認ください。
▶︎外国人の一時帰国に手続きは必要?(再入国許可・みなし再入国許可)

注意点②:海外滞在中に再入国許可が切れてしまうと永住者の地位が喪失

ただし、海外滞在中に指定の3年間を超過してしまった場合、日本における永住者としての地位は喪失してしまいます。

救済措置などもないため、改めて永住権の申請が必要になるのです。

永住権の更新

永住権つまり、在留資格「永住者」自体の更新手続きは不要ですが、在留カードの更新手続きは必要となります。

永住者の在留カードの有効期間は7年間となっているので、有効期間満了日の2か月前から有効期間満了日までの間に、在留カードの更新申請をする必要があるのです。

永住権が不許可になるケース

永住権が不許可になる可能性があるケースをいくつかご紹介しておきますので、参考にしてみてください。

  • 世帯収入が低い
  • 年金や社会保険料の未納や滞納履歴がある
  • 交通ルールの違反が多い
  • 海外への出張や駐在期間が長い
  • 扶養人数が多い

基本的には先に挙げた3つの要件に関連した不許可ケースが多いので、注意しておきましょう。

まとめ

今回は外国人労働者の永住権について、基本的な内容をお伝えしてきましたが、いかがでしたか。

永住権を持つ外国人労働者は、企業にとっても非常に魅力的な人材であることは間違いありません。

是非この記事を参考に、永住権を持った外国人労働者の採用を検討してみてはいかがでしょうか。

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株式会社ジンザイベース営業リーダー兼日々育児に奔走する一児のパパ。 1991年、「日本一暑い街」として有名な埼玉県熊谷市に生まれる。それが講じてか、何ごとにも熱く全力で取り組むことがモットーである。2017年に早稲田大学大学院卒業後、建設会社へ就職。5年間、主に営業として活動を行い、次々に大型案件に携わる。だが、職務を遂行する中で、工場や工事現場での外国人の待遇に疑問を感じ、現職へ転職を決意。特定技能外国人の紹介を通じ、外国人労働者の地位向上そして働く人全員の様々な可能性を最大化できることを目標としている。仕事のかたわら、資格取得にもチャレンジし、ビジネス実務法務検定2級や宅地建物取引士、行政書士など法務系の試験に次々に合格。現在も引き続き資格取得のため学習を続け、法務知識も併せ持つ営業として唯一無二の営業スタイルの確立を目指す。趣味は、野球観戦と読書、ドライブ。

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