【COE/在留資格認定証明書の基本】役割から交付申請方法まで簡単解説

【COE/在留資格認定証明書の基本】役割から交付申請方法まで簡単解説

この記事では、COE/在留資格認定証明書の概要や役割を始め、交付申請や必要な書類、オンライン申請などの利用方法までご紹介していきます。これから外国人労働者の雇用に取り組みたいという方は、是非最後までご確認ください。

目次

COE/在留資格認定証明書とは

まずはCOE/在留資格認定証明書について、役割などを確認していきましょう。

COE/在留資格認定証明書の役割

COE/在留資格認定証明書とは、日本に上陸しようとする外国人が日本において行おうとする活動が、在留資格該当性や上陸基準適合性の要件に適合しているかどうかについて、法務大臣が事前に審査を行い、条件に適合すると認められる場合に交付する書類です。

COE/在留資格認定証明書の役割としては、入国審査手続きの簡易化や迅速化、効率化が挙げられます。

在留資格に係る上陸許可要件について、法務大臣の事前審査を終えているものとして扱われるため、ビザ発給審査や入国審査時点で確認すべき点を減らすことができるというわけです。

ビザや在留資格との違い

COE/在留資格認定証明書とよく混同されるのが、ビザ在留資格です。

これらの違いを理解するために、それぞれの定義を改めて整理してみましょう。

  • ビザ:入国が許可されたことを証明する査証
  • 在留資格:日本に在留し、何かしらの活動を行うために必要となる資格

つまり、入国までに必要な許可証がビザ来日後の活動を規定した資格が在留資格となります。 

COE/在留資格認定証明書は先ほど述べた通り、在留資格に適合していることを証明するための書類で在り、ビザ申請時に必要になるものです。

そのため順番的には

  • COE/在留資格認定証明書を取得
  • ビザ申請を実施
  • 在留資格を取得

という流れになります。

それぞれ役割や必要なタイミングが異なる点は覚えておきましょう。

なお、在留資格については、以下の記事でも詳しく解説しています。
▶︎【在留資格とは】種類や取得要件、ビザとの違いなどを簡単解説

COE/在留資格認定証明書の交付申請

それではCOE/在留資格認定証明書を交付してもらうために必要な申請について、お話していきましょう。

交付申請の流れ

COE/在留資格認定証明書交付申請の流れは基本的に以下のようになります。

ステップ①:必要書類の準備

まずはCOE/在留資格認定証明書交付申請に必要な書類を準備することになります。

どのような書類が必要になるかは、後ほど改めてお話させていただきます。

ステップ②:出入国在留管理庁にて交付申請の実施

続いて管轄の出入国在留管理庁の窓口まで赴き、交付申請を実施します。

ステップ③:出入国在留管理庁における審査

交付申請を実施した後は、出入国在留管理庁による審査が実施されることになります。

ステップ④:COE交付

出入国在留管理庁による審査の結果、許可されれば無事COE/在留資格認定証明書が交付されることになります。

交付申請が可能な人

COE/在留資格認定証明書交付申請が可能な人は、大きく以下の通りです。

  • 来日を希望する外国人本人
  • 当該外国人を受け入れようとする機関の職員
  • 法務省令で定める代理人
  • 外国人の円滑な受け入れを図ることを目的とする公益法人の職員で、地方出入国在留管理局長が適当と認める者
  • 地方出入国在留管理局長に届け出た弁護士、又は行政書士
  • 申請人本人の法定代理人

【参考】代理申請について

上記に挙げた交付申請が可能な人のうち、外国人本人以外が実施する場合は代理申請という形になります。

親族や企業(の職員)は代理人という扱いになり、外国人に代わり書類の作成から提出、署名や修正の対応などを実施することができます。

代理人の場合、基本的に本人が対応したものと扱われる点は押さえておきましょう。

逆に、弁護士や行政書士などは申請取次人という扱いとなり、代理人と同じく書類などの作成や提出は可能ですが、署名や訂正などはできません。

代理申請については、以下の記事でも詳細を解説していますので、ぜひご覧ください。
▶︎【在留資格の代理申請】メリットや代理可能な人などをご紹介 

申請窓口と受付時間

COE/在留資格認定証明書交付申請の窓口となっているのは、居住予定、あるいは受け入れ企業などの所在地を管轄している地方出入国在留管理官署です。

受付時間としては平日の9:00-12:00、13:00-16:00となっています。

審査期間と審査基準

在留資格認定証明書交付申請は、在留資格に関するその他の申請よりも審査に時間が掛かることが多く、おおよそ1~3か月程度を想定しておきましょう。

COE/在留資格認定証明書交付申請の審査基準は以下の通りです。(出典:出入国在留管理庁HP「在留資格認定証明書交付申請」

“出入国管理及び難民認定法別表第一の下蘭に掲げる活動、または別表第二の下蘭に掲げる身分もしくは地位を有する者としての活動のいずれかに該当し、かつ、別表第一の二の表及び四の表の下蘭に掲げる活動を行おうとする者については、法令で定める基準に適合すること。”

要は、日本の法令で定められた29の在留資格いずれかに該当する活動を行い、各在留資格ごとに定められた基準に適合している必要があるということになります。

結核スクリーニングについて

COE/在留資格認定証明書の交付申請においては、結核スクリーニングについても押さえておく必要があります。

結核スクリーニングに該当する国は

  • フィリピン
  • ベトナム
  • 中国
  • インドネシア
  • ネパール
  • ミャンマー

です。 

これらの国から来日する場合、COE/在留資格認定証明書交付申請の際、本国における日本国政府が指定する医療機関が発行する結核非発病証明書を提出した上で、入国前の結核スクリーニングを実施されることになります。

詳細については、こちらの厚生労働省ページをご確認ください。

COE/在留資格認定証明書交付申請に必要な書類

ここからは交付申請に必要な書類をご紹介していきます。

COE/在留資格認定証明書交付申請で必要な書類は、どの在留資格を取得するかによって大きく変わってくるので、ここでは「技術・人文知識・国際業務」を例に挙げて確認していきましょう。

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格認定証明書を取得するにあたって、企業・組織は上場の有無や源泉徴収税額などによって4つのカテゴリーに分けられており、カテゴリーによって必要な書類が異なります。

全カテゴリーに共通して必要な書類としては

  • 在留資格認定証明書交付申請書
  • 写真
  • 返信用封筒
  • カテゴリーに該当するかを証明する文書
  • 専門学校を卒業し、専門士又は高度専門士の称号を持つ人は、
    その称号を付与されたことを証明する文書
  • 派遣契約に基づいて就労する場合、派遣先での活動内容を明らかにする資料

が挙げられます。

 カテゴリー3、4に属する企業及び組織は、上記に加えて

  • 活動内容などを明らかにする資料
  • 学歴や職歴、その他の経歴を証明する文書
  • 登記事項証明書
  • 事業内容を明らかにする資料
  • 直近年度の決算文書の写し

などが必要となります。

なお、技術・人文知識・国際業務については、以下の記事でも解説しています。
▶︎【技術・人文知識・国際業務とは】概要や在留資格の手続きなどを解説

COE/在留資格認定証明書が交付された後にすべき対応

COE/在留資格認定証明書が交付された後にすべき対応についても、確認しておきましょう。

企業は代理人として申請した後、交付されたCOE/在留資格認定証明書を当該外国人宛に郵送しなければなりません。

先程記載した通り外国人が日本へ入国するためのビザを取得するために、COE/在留資格認定証明書が必要になるからです。

また単純に送付するだけでなく

  • ビザを取得するまでの流れや申請方法についての案内
  • 日本に到着した際に実施する入国の手続き

などについて説明する資料も同封すべきでしょう。 

その他在留カードが空港で発行される旨についても併せて案内しておくことで、来日手続きもスムーズにすることができるのです。

COE/在留資格認定証明書の交付申請はオンラインで実施可能

ここまでCOE/在留資格認定証明書について解説してきましたが、COEはオンラインでも申請することが可能となっています。

そこで最後にオンライン申請について簡単にご紹介しておきたいと思います。

オンライン申請とは

オンライン申請とは、その名の通り在留資格に関する申請をオンラインで実施することを指します。

利用申出を行うことで、すぐにオンラインで在留資格認定証明書交付申請を実施することが可能です。

オンライン申請は現在外国人本人だけでなく、当該外国人から依頼を受けた企業の職員や弁護士、法定代理人なども実施することができます。

オンライン申請の利用方法

オンライン申請の利用方法について、いくつかのステップに分けて確認していきましょう。

ステップ①:利用申出の実施

まずはオンライン申請の利用申出を行う必要があります。
利用申出に必要な書類については、こちらの出入国在留管理庁のページからご確認ください。

必要書類が準備できれば、出入国在留管理庁まで直接または郵送にて申出を行いましょう。

ステップ②:オンラインでの申請

利用申出が承認されれば、在留申請オンラインシステムを利用できます。

利用申出の際に取得したIDとパスワードでログイン後、申請情報を入力し、必要書類を添付することで申請を行う形になります。

具体的な操作方法については、こちらの出入国在留管理庁のページから操作マニュアルをご参照ください。

ステップ③:結果通知

申請の審査終了後、審査結果がメールで通知されます。

許可された場合は、手数料納付書などの必要書類を添付することになります。

オンライン申請の利用条件

オンライン申請を利用するには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 申請等取次者の承認要件を満たしていること
  • 外国人の受入れの開始、終了等の届出を行っていること
  • 外国人雇用状況届出を行わなければならない事業主においては、同届出を行っていること(所属機関のみ)
  • 誓約書の提出があること
  • 経営状況、財務状況等の観点から、安定的・継続的に事業が運営されていることが認められること(所属機関のみ)

詳しくはこちらの出入国在留管理庁の資料もご参照ください。

その他、以下の記事でもオンライン申請について詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
▶︎【在留資格のオンライン申請】概要や利用方法などをまとめて解説

まとめ

今回はCOE/在留資格認定証明書について解説してきましたが、いかがでしたか。

海外から外国人労働者を呼び寄せて雇用する場合、COE/在留資格認定証明書の交付申請は避けて通れません。

そのため是非この記事を参考にしつつ、COE/在留資格認定証明書の交付申請を進めていただければ幸いです。

また当社は外国人労働者に特化した人材紹介サービスを提供しており、在留資格に関する申請のサポートなども行っております。

外国人労働者の雇用に取り組みたいという方は、是非お気軽にご相談ください。

カテゴリ:
在留資格
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菅原 勇人

株式会社ジンザイベース営業リーダー兼日々育児に奔走する一児のパパ。 1991年、「日本一暑い街」として有名な埼玉県熊谷市に生まれる。それが講じてか、何ごとにも熱く全力で取り組むことがモットーである。2017年に早稲田大学大学院卒業後、建設会社へ就職。5年間、主に営業として活動を行い、次々に大型案件に携わる。だが、職務を遂行する中で、工場や工事現場での外国人の待遇に疑問を感じ、現職へ転職を決意。特定技能外国人の紹介を通じ、外国人労働者の地位向上そして働く人全員の様々な可能性を最大化できることを目標としている。仕事のかたわら、資格取得にもチャレンジし、ビジネス実務法務検定2級や宅地建物取引士、行政書士など法務系の試験に次々に合格。現在も引き続き資格取得のため学習を続け、法務知識も併せ持つ営業として唯一無二の営業スタイルの確立を目指す。趣味は、野球観戦と読書、ドライブ。