在留カードの更新はいつすべき?必要書類や期限切れ時の対応、手続きの流れについて解説!

在留カードの更新は在留資格によって申請開始時期が異なるのをご存知ですか?

この記事では、在留カードの更新時期や必要書類、オンライン申請の方法から、期限切れ時の対応まで、企業の人事担当者向けに徹底解説します。

外国人雇用をご検討中の方はすでに受け入れている企業担当者様はぜひ最後までご覧ください。

在留カードとは?|基本情報の整理

まずは在留カードとは何かを確認していきます。

在留カードは、日本に3ヵ月以上滞在する予定の外国人に対して交付される証明書です。これにより、外国人は日本に滞在するための法的な許可を持っていることが証明されます。

在留カードには、姓名や国籍、生年月日、住所などの基本情報が記載されており、運転免許証と同様に身分証明書として利用可能です。

特に重要なのは、在留資格と在留期限の情報です。これらは、カード所持者が特定の在留資格を持っており、期限内に日本に滞在できることを証明します。

在留カードのサンプル画像
出典|出入国在留管理庁HP:在留カードとは?

加えて、日本に滞在する間は在留カードを携帯することが義務付けられており、不携帯の場合には罰則が科されることもあります。運転免許証と同じような身分証明書に近いイメージです(実際に公的な身分証明書として使用することが可能です)。

なお、在留資格については、「在留資格ってなに?ビザとの違いや取得方法、29種類まとめて解説!」の記事でも詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

弊社が運営するYouTubeチャンネル「ぐろーばる採用TV」でも、在留カードについて解説している動画がありますので、ぜひあわせてご覧ください。

「在留資格」と「在留カード」には期限がある?

在留カードで特に重要とお伝えした「在留資格」と「在留期間」ですが、ややこしいことにそれぞれ別の期限が設定されています。

「在留期限」とは、外国人が有する在留資格自体の有効期間のことで、もし在留期限を過ぎてしまうとオーバーステイとして不法滞在者(犯罪)扱いになってしまいます。

一方で、「在留カードの有効期限」は、在留カードを身分証明書として使える有効期限と考えて良いでしょう。この有効期限が切れたからと言って、在留資格そのものが消えるわけではありません。

ほとんどのケースでは在留期限(在留期間)=在留カード有効期限となっていますが、永住者(高度専門職2号を含む)や16歳未満の外国人が例外となっています。

例えば、永住者は在留期限がありませんが、在留カードの有効期限はあるため、一定期間で在留カードの更新手続きが必要です。

仮に不法滞在者を雇用してしまっている場合は、雇用主側も法的責任(不法就労助長罪)を問われる場合があり、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金に処されてしまいます(2025年5月には5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金に引き上げられます)。

そのため、外国人労働者を雇用しようとしている事業者様は、在留カード・在留期限の確認はしっかりと行っておいた方が良いでしょう。

在留カードの更新を申請するのはいつから?

在留カードの更新手続きはどのタイミングで行う必要があるのでしょうか。

結論、その外国人が何の在留資格を有するのかによって、申請するタイミングが若干異なります。

ただ、基本は「在留期限の3ヶ月前」から更新手続きが可能になります。一方、永住者や高度専門職2号の方については、「在留期限の2ヶ月前」から手続きが可能です。

在留カードの更新は、本人の居住地を管轄する地方出入国在留管理局で手続きができ、この手続きのことを「在留期間更新許可申請」と呼びます(地方出入国在留管理官署の一覧はこちらをご覧ください)。

もし本人が直接出向くことが難しい場合、企業が代理で申請を行うことも可能ですが、その際には委任状や本人との関係を示す書類を忘れずに用意する必要があります。

審査期間の目安は2週間~3ヶ月

在留期間更新には審査が伴い、審査に有する期間としては、おおよそ2週間〜1ヶ月程度とされています。

ただし、資料に不備がある場合などは、追加資料を求められたり、最悪不許可になってしまう可能性もあります。

そのため、申請可能な3ヶ月前から手続きを開始しておくのが一番安心でしょう。

企業側でも在留カードの管理を徹底し、外国人従業員が切れそうな期限を把握しておくことで、円滑な雇用管理につながります。

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在留カードの更新方法と具体的な手続き・流れは?

ここからは在留カード更新の手続き方法について見ていきます。

在留カードの更新申請に必要な書類一覧

まず、申請時に必要な書類を確認していきます。

基本的には以下に挙げたような書類等が必要となってきますので、手元に準備しておきましょう。

在留カード更新の必要書類一覧
出入国在留管理庁HPを参考に、ジンザイベースが作成

ここで注意が必要なのが、別途在留資格ごとに個別に必要となる書類があるという点です。

例えば、「技術・人文知識・国際業務」では、所属する企業が1〜4のどのカテゴリー(主に企業規模で区分けされています)に属するかで、必要となる書類が異なります。また、「永住者の配偶者」や「日本人の配偶者」が在留期間更新申請する場合、配偶者の住民票や身元保証書を提出する必要があります。 

詳しくは、こちらの出入国在留管理庁HPから、該当する在留資格を選択いただき、在留期間更新許可申請の必要書類をご確認ください。 

在留カード更新の手続きの流れ、受け取り方法

基本的な在留カード更新の流れは以下の通りです。

在留カード更新の手続きの流れ
在留カードの更新手続きの流れ

①:在留期間更新許可申請書と必要書類を提出

先ほど確認した在留期間更新許可申請書とその他の必要書類を併せて、地方出入国在留管理局まで提出します。

万が一、必要書類を提出し忘れた場合は、再度の提出が必要になるため、余裕を持ったスケジュールで手続きを進めることが重要です。

②:ハガキ(通知書)が届く

申請が問題なく許可されれば、申請人の元に出入国管理庁からハガキ(通知書)が届きます。

この通知書には、更新された在留カードを受け取るための詳細な指示が記載されており、受け取りの際に必要な書類も明記されています。

届いた通知書をもとに、必要書類を持参し、指定された地方出入国在留管理官署で新しい在留カードを受け取る手続きを行います。

③:新しい在留カードを受け取り、更新完了

ハガキが届いた後は、ハガキと必要書類を揃えた上で出入国在留管理庁へ提出し、新しい在留カードを受け取ります。

この際、現在の在留カードとパスポートも忘れずに持参しましょう。

手続きには手数料として4,000円を支払う必要がありますので、収入印紙をあらかじめ用意しておくことが重要です。

新しい在留カードを受け取ったら、内容に誤りがないか必ず確認しておくといいでしょう。

在留カードの更新はオンラインでも申請できる?

在留カードの更新は、利用条件を満たすことで、「在留申請オンラインシステム」を利用してオンラインで申請が可能です。

わざわざ最寄りの出入国在留管理局に行く必要もなく、24時間利用可能です。

このオンライン申請は在留カードの更新(在留期間更新、在留資格変更)だけでなく、再入国許可申請」や「資格外活動許可申請」などでも利用が可能です。

ただし、全ての在留資格で利用できるわけではなく、「外交」や「短期滞在」、「特定活動(出国準備期間)」の在留資格を保有している人や、これらの在留資格に変更する場合は利用できません。

在留申請オンラインシステムが利用できるのは、以下の該当者とされていますが、外国人本人・法定代理人・親族の場合はマイナンバーカードの準備が必要です。

  • 外国人本人
  • 外国人の所属機関の職員
  • 所属機関の職員から依頼を受けた弁護士・行政書士
  • 所属機関の職員から依頼を受けた公益法人の職員
  • 所属機関の職員から依頼を受けた登録支援機関の職員
  • 法定代理人
  • 親族(配偶者、子、父又は母)

とても便利なシステムですので積極的に活用することをおすすめします。

在留資格のオンライン申請についての詳細は、「【在留資格のオンライン申請】概要や利用方法などをまとめて解説」でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

在留カードの期限が切れてしまったらどう対応する?

在留カードの有効期限が切れている場合、不法滞在者(オーバーステイ)という状態になります。

この場合は、3年以下の懲役または300万円以下の罰金という罪に問われると同時に、ほとんどの場合は退去強制(強制送還)になってしまいます。

そうなると、少なくとも5年間は入国禁止となり日本に戻ってくることができません。在留期限のない永住者(高度専門職2号含む)でも、在留カードには有効期限があるので、定期的に更新を行う必要があります。

万が一、在留資格の更新手続きを忘れ、在留期限(在留カードの有効期限)が過ぎてしまった場合、すぐに本人が最寄の出入国在留管理局へ出頭し事情を説明しましょう。

必ずではありませんが、在留期限から2ヶ月以内であれば更新に応じてくれる場合があります。ただし、この手続きは難易度が高くなる場合があるため、専門家のアドバイスを受けることも検討してみてください。

不法滞在者を雇用している企業側にも法的責任・罰則が?

冒頭に記載した通り、不法滞在者を雇用している企業側には、「不法就労助長罪」が適用されてしまう可能性があります。

不法就労助長罪に該当する場合、雇用主側に3年以下の懲役または300万円以下の罰金、もしくはその併科という重い罰則が課されてしまいます。

そのため、すでに外国人労働者を雇用している企業は、外国人従業員の在留期限と更新手続きを遅滞なく行っているか、しっかりと管理する必要があるといえるでしょう。

不法就労助長罪については、「不法就労助長罪とは?経営者が知るべき罰則・注意すべきポイントを徹底解説します!」の記事でも詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

在留カードの更新申請・手続き中に期限が切れてしまったら?

重複しますが、在留期間更新(資格変更)申請の手続きをしても審査期間が通常2週間〜1ヶ月程度時間がかかります。

そのため、在留期限の直前に更新申請をした場合、在留カードに記載されている在留期間を過ぎてしまうことがあります。

ただ、在留期間更新(資格変更)申請が受理されると、同時に、審査猶予期間として2ヶ月間の在留期限の延長が認められます。

そのため、更新(変更)の申請中に期限が切れてしまっても問題はありません。

この場合、在留カードの裏面に「在留期間更新(資格変更)申請中」の記載がされていますので、確認してみてください(以下サンプル画像内⑤の部分)。

在留カードのサンプル画像
出入国在留管理庁HPを参考にジンザイベースが作成

しかし、注意が必要なのは、申請が不備や問題で却下された場合、即座に不法滞在者と見なされるリスクがあることです。そのため、期限が迫っている場合や、在留資格の変更を考えている場合は、早めに専門家や相談窓口にアドバイスを求めることをお勧めします。

在留カード更新の際のよくある質問(FAQ)

最後に、在留カードの更新に関してよくある質問をまとめておきますので、ご覧ください。

在留カードや在留資格を企業側でも把握しておく必要がある?

外国人を雇用している企業にとって、在留カードや在留資格の把握は非常に重要です。これらの手続きを適切に行わないと、外国人社員が在留資格の期限を過ぎたり、更新申請を忘れることがあり得ます。

仮に、更新申請を怠り、不法滞在者になってしまった場合は強制送還になってしまうため、事実上の退職扱いになってしまいます。加えて、不法滞在者を雇用していたとして企業側にも罰則が適用しかねないため、

そのため在留カード更新については、本人に丸投げするのではなく、一定は企業側でも気にしておいた方が良いでしょう。

在留カードの更新が不許可になることもある?

在留カード(期間)の更新は審査が伴うため、受理されても「不許可」とされる場合があります。

不許可になる主な原因としては、以下のようなものが想定されます。

  • 提出書類に整合性がない
  • 在留状況が良くない
  • 業務内容が在留資格の活動範囲外
  • 入管法の条件を満たしていない

もし不許可になっても、不許可理由が修正できるようなものであれば、修正した上で、既存の在留資格の期限までに再申請の手続きが可能です。

ただ、不許可の際に届く通知書(ハガキではなく、封書)だけでは、不許可理由の詳細までは分かりません。

そのため、不許可になった場合は、まず出入国在留管理庁まで不許可理由の詳細を聞きに行くことが重要です。

その際は詳細な理由と合わせて「どの点を修正して再申請すれば、許可の見込みが出てくるのか」なども併せて確認しておくことも併せて重要になるでしょう。

不許可理由の詳細を確認し、それが修正できるようなものであれば、すぐに再申請の手続きをすれば許可される可能性はあると言えます。

在留カードを紛失した際の再交付手続きはどうする?

在留カードが紛失した場合、速やかに再交付手続きを行うことが重要です。

再交付の申請は、居住地域を管轄する地方出入国在留管理局で行います。この際、必要な書類としては、紛失届出書やパスポートの提示などが求められます。

また、在留状況も確認されるため、在留資格に基づく適切な手続きを心掛けることが求められます。正確な手順を踏むことで、迅速に新しい在留カードを受け取ることができます。

なお、在留カードの再発行手続きについては「在留カードを紛失した場合の対応方法は?」の記事でも詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

まとめ

今回は在留期間の更新についてお話してきましたが、いかがでしたか。

更新手続きは在留資格の認定申請ほど複雑ではないものの、更新する在留資格の活動内容や転職の有無によって必要な書類も異なってくるので、わかりづらいと思われる方もいらっしゃるでしょう。

特に、在留カードの有効期限が切れる前には、早めに手続きを行うことが求められます。もし更新を忘れてしまった場合は、すぐに最寄りの地方出入国在留管理局に相談し、行動を起こすことが大切です。

当社はそういったお悩みを抱えている方に対して、外国人労働者の人材紹介サービスに加えて、在留資格申請や更新に関するサポートなどを提供しております。もし少しでもご興味ありましたら、お気軽にご相談ください。

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監修者
菅原 勇人
菅原行政書士事務所代表。埼玉県熊谷市生まれ。2017年早稲田大学大学院卒業後、建材商社へ入社。主に営業として、中小中堅の建設事業者への提案に従事。就労をしながら、行政書士や宅建など法務系資格を複数取得。現在は菅原行政書士事務所の代表として、約1,000件にも及ぶ申請取次業務に携わる。行政書士(埼玉県行政書士会所属 / 第24132052)
編集
中村 大介
1985年兵庫県神戸市生まれ。2008年に近畿大学卒業後、フランチャイズ支援および経営コンサルティングを行う一部上場企業に入社し、新規事業開発に従事。2015年、スタートアップを共同創業。取締役として外国人労働者の求人サービスを複数立上げやシステム開発を主導。2021年に株式会社ジンザイベースを創業。海外の送り出し機関を介さず、直接マッチングすることで大幅にコストを抑えた特定技能人材の紹介を実現。このシステムで日本国内外に住む外国人材と日本の企業をつなぎ、累計3000名以上のベトナム、インドネシア、タイ、ミャンマー、バングラデシュ、ネパール等の人材採用に携わり、顧客企業の人手不足解決に貢献している。著書「日本人が知らない外国人労働者のひみつ(2024/12/10 白夜書房 )」
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