【2026年3月最新】外食分野の特定技能1号「新規受入停止」を徹底分析。今後の採用戦略への影響とは?

外食業分野での特定技能1号外国人の現状は?

まず特定技能1号外国人は各産業分野ごとに受入人数の上限が決められております。(詳細は下記表参照)

出入国在留官庁公表:外国人労働者に関する制度概要より作成

外食業は2026年1月の閣議決定により、上限が53,000人から50,000人へと下方修正されました。

2025年12月末時点での在留者数は43,869人。上限まで残り約6,000人と非常に逼迫した状況です。入管庁の公表資料から読み取れる現状は以下の通りです。

出入国在留管理庁公表:特定技能在留外国人数の公表等より作成

こちらの資料から読み取れることとして、

・令和5年度以降人数の増加スピードが加速

・直近半年での一月当たりの増加人数は約1,350人

・上限率87.74%と100%に迫っている

この急増の背景には、新型コロナの5類移行にともなう飲食店の人材需要回復があります。

以下の資料では外食業分野における増減及び増加率についてまとめております。

出入国在留管理庁公表:特定技能在留外国人数の公表等より作成

直近の1ヶ月当たりの増加人数が約1,350人とすると入管庁からの資料が公表された人員数が2025年12月末時点のため、この記事を書いている3月末現在単純計算約48,000人程度になっていると推測されます。(入管庁の速報値によると2026年2月末現在4万6千人。)

例年この時期は留学生などが特定技能1号へ切り替えるパターンが多く、特にアルバイトをしていた外食業の店舗でそのまま特定技能1号外国人として引き続き勤務をするパターンが多く見受けられます。そのため、5万人の上限も入管庁及び農林水産省より通達された2026年6月よりも早期に上限に達する可能性があります。

「採用は完全にストップ」ではない!3つの重要ポイント

今回入管庁より公表された資料の一部抜粋です。

(資料全体はこちらよりご確認ください。)

出典:出入国在留管理庁特定技能「外食業分野」における受入れ上限の運用について

今回の通達において、企業が冷静に判断すべきポイントは以下の3点です。

1、国外からの呼び寄せは「原則不許可」

2026年4月13日以降、海外にいる外国人を呼び寄せるための「在留資格認定証明書交付申請」は原則として不許可となります。

2、「国内の経験者」の採用・転職は継続可能

すでに外食業分野で特定技能1号として就労している方の「転職(在留資格変更申請)」は引き続き審査・許可されます。

3、他分野・留学からの変更は厳格化

4月13日以降、他分野(農業や飲食料品製造など)や留学から「新たに外食分野へ切り替える」申請は、原則不許可となります。

*2026年4月13日より前に実施した諸申請に関しても上限との枠をみながら交付の判断実施。

つまり、「外食分野の経験者」という既存のパイを奪い合う形へと採用市場がシフトしたことを意味します。

では次に技能実習生や外食業分野にて特定活動(特定技能移行準備)にて就労している方の取り扱いについて見ていきましょう。

①外食業技能測定試験が不要となる技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)からの変更組は申請は5万人の枠をみながら審査。

②現在、外食業分野に係る特定活動(特定技能1号移行準備)の許可を受けており、特定技能1号への変更申請を実施する方も5万人の枠をみながら審査。

→①を優先的に審査

しかし、このような方々も上限の関係で特定技能1号への切り替えが難しい場合は特定活動(特定技能1号移行準備)への変更や更新(原則1回のみ)の案内するケースもあるとしており、必ずしも特定技能1号へ切り替えられるとは限りません。

また更新申請に際しては人数枠の上限に関係ないため通常通り審査するとしております。

書類不足での駆け込み申請は「リスク」が高い

「枠が埋まる前に」と、書類が不備な状態で申請を急ぐケースが予想されますが、これは得策ではありません。入管庁は、書類不備がある場合の優先順位を下げる可能性を示唆しています。必要書類を完璧に揃えることが、結果として一番の近道となります。

国内人材に限られますが、書類準備に時間がかかる場合は「特定活動(特定技能1号移行準備)」の活用も検討すべきです。一旦この資格でつなぎ、その間に書類を完備して本申請を行うことで、在留できる可能性を高められます。

記事内cta_ホワイトペーパー誘導_外国人採用のコスト

特定活動(特定技能1号以降準備)の申請が可能なのは?

下記に該当する場合は、通常通りに審査を実施するとのことです。

1、現在外食業分野で特定技能1号として就労している方の転職

2、技能実習(特定技医療・福祉施設給食製造作業)を修了した方からの申請

3、2026年4月13日より前に受理した申請であって2026年3月27日までに食品産業特定技能協議会の加入申請を行っている申請

1及び2は2026年4月13日以降も適用されるとのことで、特定活動変更後は前述した通りのスキームになることが予想されます。

3に関してはこれから特定技能外国人の受入を始めようという企業が該当します。2026年3月27日以前に協議会へ加入申請を実施しており、まだ会員証の交付を受けられていない企業は特定活動(特定技能1号以降準備)を利用して、早期に人材を雇用することが可能です。

しかし、こちらに関しては、内定者の従前の在留資格が外食業分野での特定技能1号ではない場合に利用することをお勧めいたします。内定者がすでに外食業分野での特定技能1号の在留資格でいる場合は、全て書類が揃うまで待ち、揃い次第特定技能1号へ変更申請を実施すべきであると言えます。このようなケースの場合、特定活動に切り替えたことにより特定技能1号への変更が難しくなる可能性があります。

他分野への波及と今後の展望

2025年12月末現在の各分野とその上限に関しては下記の表をご参照ください。

出入国在留管理庁公表:特定技能在留外国人数の公表等より作成

上記の表からわかるように直近で枠が埋まりそうな分野(上限率80%超)はありません。飲食料品製造業分野が約70%と比較的高くなっておりますが、直近の半年の増加率は11.1%と比較的低くなっております。逆に上限までは比較的余裕はありますが、介護分野での増加率が非常に顕著となっており想定より早期に上限に達する可能性もございます。(下記表を参照。)

出入国在留管理庁公表:特定技能在留外国人数の公表等より作成

このペースで行くと建設業及び飲食料品製造業分野、介護分野も2028年上旬までには上限を迎えることが予想されます。もちろん現時点での予測であり、次の述べるように外食業の新規受入停止などの影響で早まることもあり得ますし、逆に社会情勢などに左右されて遅くなることも十分に予想されます。しかし、一つの目安として意識をしていてもいいかと思います。

今回の外食業分野での特定技能1号外国人の新規受入停止に際して、元々外食業にて日本に来たいと考えていた現在日本国外にいる外国人が別分野の試験に合格して日本に来る可能性は十分にございます。その中でも、試験実施国が多い介護分野や外食業と相関性の高い宿泊業や飲食料品製造業分野で増加していくのではないかと推察しております。

他方、既に日本に在住しており他分野にて就労している特定技能1号外国人や他の在留資格(留学など)で日本にいる外国人の方が外食業分野で特定技能1号で就労したいと考えた場合は原則不可能になります。そのため、こちらも他の分野の人員の増加が見込まれます。

今後の展望:鍵を握るのは「特定技能2号」

今回の上限はあくまでも外食業分野における特定技能1号外国人であり、より高度な技術が求められる特定技能2号に上限はありません。そのため外食業分野での特定技能2号外国人が増えた場合、外食業分野での特定技能1号外国人が減少する可能性は多いにございます。(合格者との単純比較で現在2,000人ほどの特定技能2号予備軍がいると言えます。)

OTFFF公表資料より作成

この外食業分野における特定技能2号ですが、直近増加傾向にあります。特定技能2号に必要な試験の合格率も近年上がってきております。更には2025年度までは年3回だった特定技能2号測定試験も2026年6月以降、CBT方式になり通年での実施が予定されております。会場も全国で数えるぐらいだった会場数が大幅に増えることが発表されております。このため、今以上に外食業分野における特定技能2号外国人が増加していくと思われます。

OTAFF公表資料より作成

また制度が始まって5年以上経過するため特定技能2号試験に合格できなかった人材が母国へ帰国あるいは他の在留資格へ変更するケースも増えてくると見込まれます。

そのため、楽観視はできませんが、今後5万人の枠を下回る可能性は多いにございます。(あるいは、5万人の枠が増枠する可能性もあります。)

こちらに関しては、出入国在留管理庁より公表される資料による人数の推移あるいは新たな閣議決定や関係省庁からの通達をより注視していく必要がございます。新たな動きがあり次第こちらのサイトでもお知らせさせていただきます。

まとめ

今回の措置により、外食業の特定技能外国人の採用は「早い者勝ち」から「質の高い経験者の確保」へとフェーズが変わりました。

当社では、今回の急な制度変更にも提携行政書士事務所と連携し、迅速に対応しております。 「今内定を出している候補者は大丈夫か?」「これからどう募集をかけるべきか?」 不安を感じている企業様は、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。最新のデータに基づき、貴社に最適な採用ルートをご提案いたします。

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監修者
編集
菅原 勇人
菅原行政書士事務所代表。埼玉県熊谷市生まれ。2017年早稲田大学大学院卒業後、建材商社へ入社。主に営業として、中小中堅の建設事業者への提案に従事。就労をしながら、行政書士や宅建など法務系資格を複数取得。現在は菅原行政書士事務所の代表として、約1,000件にも及ぶ申請取次業務に携わる。行政書士(埼玉県行政書士会所属 / 第24132052)
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