【速報】入管法改正案、衆院委員会可決!在留資格の手数料はいくらになる?|改正前・現行・改正後の金額を徹底比較

菅原 勇人
菅原 勇人

在留手数料(印紙代)とは

そもそも在留手数料とは何でしょうか?こちらに関して、しばしば行政書士等への申請依頼費と同じものであると勘違いしている人も見受けられます。

在留手数料とは、外国人が在留資格の変更・更新・永住許可などの申請を行い、許可を受けた際に出入国在留管理庁(入管)に支払う費用のことです。行政書士等への申請費用は私人に支払うのに対し、在留手数料は国に払うものです。

支払い方法は収入印紙による納付が原則です。申請書類に所定の手数料納付書を添付し、金額分の収入印紙を貼付して提出します。現金での支払いは受け付けられていません。収入印紙は郵便局やコンビニで購入できます。

手数料が発生するタイミング

重要なポイントとして、手数料が発生するのは「申請が許可された場合のみ」です。申請を出した時点ではなく、許可が下りた時点で納付が必要になります。申請が不許可になった場合は手数料は発生しません。この仕組みは改正後も変わりません。

「印紙代」と呼ばれる理由

在留手数料は収入印紙で支払うため、実務の現場では「印紙代」と呼ばれることが多くあります。厳密には「在留手続きに係る手数料」が正式名称ですが、本記事では便宜上「手数料(印紙代)」と表記します。

手数料がかかる手続き・かからない手続き一覧(2025年4月現行版)

以下は2025年4月1日時点で施行中の手数料一覧です。

※オンライン申請の手数料割引は2025年4月改定より新設。

※手数料は許可時のみ発生。不許可の場合は費用なし。

※在留資格認定証明書(COE)は海外からの新規招へい申請で、許可・不許可にかかわらず手数料は一切発生しません。

在留資格変更申請や更新申請で希望していた在留資格への許可が得ることができず、入管庁へ呼び出しを受け、特定活動「出国準備」(いわゆる「出国準備ビザ」)というものに変更されるケースが稀に見受けられます。この際も手数料はかかります。上記の表で不許可の場合は費用発生なしとしておりますが、このケースの場合は申請により「出国準備ビザ」への変更が許可されたという解釈になります。

在留手数料の変遷|戦後から2026年まで

現在に至るまでに在留手数料は大きく3回の改定を経ています(2026年度の改定を含む)。以下でその流れを整理します。

※1981年以前の金額は、法改正経緯に関する報道・文献を参考にした推定値を含みます。

※2026年度の改正後目安額は入管庁が衆院法務委員会にて提示した数値。法改正成立後に政令で確定。

第1期:戦後〜1981年(入管法施行〜第1次改定前)

1951年(昭和26年)に出入国管理令が公布・施行され、日本の在留資格制度の基盤が整備されました。この時期の在留手数料は実費相当の低廉な設定で、外国人の数も現在と比較して少なく、手続きも限定的でした。

戦後の混乱期を経て、在留管理の整備が進む中で最初の手数料改定が行われました。この「第1次改定」が1981年の改正に当たります。

第2期:1981年〜2025年3月(法定上限1万円の時代・44年間)

1981年の入管法改正によって、在留手数料の法定上限が一律「1万円」と設定されました。この上限の下で、実際の手数料は変更・更新許可が4,000円永住許可申請が8,000円に設定されていました。

以降、2025年3月まで実に44年間にわたってこの金額は据え置かれました。この間、日本の物価は大きく変動し、在留外国人の数も急増しましたが、手数料の水準は変わりませんでした。欧米主要国の手数料と比較しても、日本の手数料は極端に低い水準にとどまっていたといえます。

第3期:2025年4月〜現在(第2次改定・施行済み)

2025年1月31日、政府は44年ぶりとなる手数料の改定を政令で閣議決定しました。同年4月1日より施行されています。変更・更新許可が4,000円から6,000円に、永住許可申請が8,000円から10,000円にそれぞれ引き上げられました。

また、この改定からオンライン申請の手数料が窓口申請より安く設定される仕組みが新たに導入されました。

第4期(予定):2026年度中〜(第3次改定・大幅引き上げ)

2026年3月10日の閣議決定・4月24日の衆院法務委員会可決を経て、さらなる大幅引き上げが2026年度中に施行される見通しです。詳細は次章以降で解説します。

2025年4月改定の詳細(第2次改定・施行済み)

2025年4月1日より施行されている現行の改定内容を整理します。

改定の背景

物価や人件費の上昇を考慮した改定であり、1981年以来44年ぶり(戦後2度目)の改定となりました。在留外国人の増加に伴う入管業務の増大も背景にあります。ただし、この時点での改定は法定上限(1万円)の範囲内で行われたもので、上限自体は変更されていません。

主な変更点

・   在留資格の変更許可:4,000円 → 6,000円(+2,000円)

・   在留期間の更新許可:4,000円 → 6,000円(+2,000円)

・   永住許可申請:8,000円 → 10,000円(+2,000円)

・   再入国許可申請(1回):3,000円 → 4,000円(+1,000円)

・   再入国許可申請(数次):6,000円 → 8,000円(+2,000円)

・   就労資格証明書の交付:1,200円 → 2,000円(+800円)

・   特定登録者カード:2,200円 → 4,000円(+1,800円)

オンライン申請割引の新設

2025年4月の改定から、オンライン申請の場合は窓口申請より各500円程度安く設定される仕組みが新たに導入されました。政府はオンライン申請の普及・促進を政策目標の一つとしており、手数料を通じてインセンティブを設けています。

経過措置

2025年3月31日までに受け付けられた申請については、許可が4月1日以降になっても改定前の手数料が適用されます。申請の受付日が基準となるため、提出タイミングに注意が必要です。

記事内CTA_外国人採用のキホン

2026年度の大幅引き上げ|経緯・改正案の内容・現在の状況

経緯(時系列)

・   2025年11月20日:報道により在留手数料の大幅引き上げ検討が明らかに。更新・変更を3万円台、永住を10〜20万円程度とする案が浮上

・   2025年11月27日:自民党プロジェクトチームが初会合。政府から手数料上限を永住30万円・変更更新10万円に引き上げる案を提示

・   2026年1月23日:政府が「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」を公表。手数料の令和8年度中の見直しを明記

・   2026年3月10日:入管法改正案を閣議決定・衆議院に提出。変更・更新の法定上限を10万円、永住の法定上限を30万円に引き上げる内容

・   2026年4月10日:衆院法務委員会にて入管庁次長が手数料目安を提示(3ヶ月以下:1万円、5年:7万円、永住:20万円程度)

・   2026年4月17日:1年(3万円程度)・3年(6万円程度)の目安を追加提示

・   2026年4月24日:衆院法務委員会で可決

改正案の内容と重要な読み方

今回の入管法改正で定められるのは「法定上限額」であり、実際に窓口で支払う金額は改正成立後に別途政令で定められます。この点は混乱しやすいため整理します。

・   法定上限(入管法で定める上限):変更・更新 → 10万円 永住 → 30万円

・   実際の窓口での目安(入管庁提示):変更・更新 → 1〜7万円程度 永住 → 20万円程度

つまり、「永住が30万円になる」という情報は法定上限の話であり、実際に支払う金額は20万円程度になる見込みです。ただし最終的な金額は政令で確定するため、引き続き最新情報の確認が必要です。

現在の状況(2026年4月25日時点)

2026年4月24日に衆院法務委員会で可決された改正案は、今後参院での審議・可決を経て成立する見通しです。今国会での成立が目指されており、成立後は政令で具体的な手数料額が定められ、2026年度中(2027年3月31日まで)に施行される予定です。

改正後の手数料目安一覧

以下は、入管庁が衆院法務委員会で公式に示した目安額です。

※上記はあくまで目安。実際の金額は法改正成立後に政令で定められます。

※在留資格認定証明書(COE)交付申請は改正後も引き続き手数料なし。

※経済的困窮者向けの減免制度も設けられる予定(永住は配偶者・子などに限定の見込み)。

なぜここまで値上がりするのか?背景と理由

① 44年間据え置かれた法定上限

1981年以来の法定上限「1万円」は、在留外国人が急増し物価・人件費が大きく変動した現在においても据え置かれてきました。今回の入管法改正はこの上限そのものを引き上げるものであり、制度の根本的な見直しといえます。

② 「受益者負担」への方針転換

これまで日本の在留手数料は「実費相当(収入印紙代)」という考え方に基づき安価に設定されてきました。今回の見直しでは、制度維持・管理コストを含めた「受益者負担」の考え方へ大きくシフトする方針が示されています。

米国・英国では在留資格関連の手数料が数万〜十数万円に設定されており、欧米並みの水準を目指すのが今回の改正の方向性です。

③ 在留外国人の急増と行政コストの増大

在留外国人は2025年末時点で過去最高の約413万人に達しています。入管業務の増大に伴い、審査体制の強化(審査官増員・システム投資)や外国人支援施策の拡充(多言語対応・相談体制強化)のための財源確保が目的とされています。

入管庁は、改正後の2027年度における在留資格の変更・更新に関する歳入を690億〜920億円程度と試算しています。

④ 電子渡航認証制度(JESTA)の創設

今回の入管法改正案には、在留手数料の引き上げに加えて、ビザ免除国・地域からの渡航者に対して入国前にオンライン審査を行う「JESTA(Japan Electronic System for TravelAuthorization)」の創設も盛り込まれています。2028年度導入が見込まれており、日本の外国人受け入れ政策全体の大きな転換が進んでいます。

企業が今すぐ取るべき対策

1. 外国人社員の在留期限・手数料コストを一覧化する

まず自社の外国人社員全員について、在留資格の種類・在留期限・次回更新予定を一覧化しましょう。

引き上げ前に更新できるケースがないかを確認し、改正後のコスト増を把握します。

〈コスト試算例〉外国人社員10名、平均3年更新の場合:現行 6万円 → 改正後約60万円(約10倍)

2. 費用負担ルールを社内で整備する

在留手数料を会社が負担するか本人負担とするかを就業規則等で明確にしておきましょう。特に外食・物流・製造業では企業負担が定着しているケースが多く、大幅値上げに伴いルールの見直しが必要になる場合があります。

3. できるだけ長い在留期間での許可取得を目指す

在留期間が長いほど更新頻度が下がり、トータルコストを抑えられます。5年の在留許可を取得しやすい体制整備(カテゴリー区分の整備・給与水準の確認等)を進めましょう。

4. オンライン申請への移行を進める

オンライン申請は窓口申請より安く設定される見込みです(現状は500円の差)。入管庁のオンライン申請システムへの移行を進めることで、コスト削減と手続き効率化を同時に実現できます。

5. 行政書士・登録支援機関との連携を強化する

手数料が高額になるほど、不許可による再申請のコストも増大します。確実に許可を得るために専門家との連携を強化し、申請書類の質を高めておくことが重要です。

記事内cta_ホワイトペーパー誘導_外国人採用のコスト

まとめ

在留資格の手数料(印紙代)は、1981年の第1次改定から44年間据え置かれた後、2025年4月の第2次改定を経て、さらに2026年度中に第3次の大幅改定が迫っています。

改定の流れを整理するとこうなります:

・   〜1981年:戦後の在留管理整備期。手数料は実費相当の低廉な設定

・   1981年:第1次改定。法定上限が「一律1万円」に設定されて以降44年間据え置き

・   2025年4月:第2次改定(施行済み)。変更・更新6,000円、永住10,000円に引き上げ。オンライン割引を新設

・   2026年度中(予定):第3次改定。変更・更新1〜7万円程度、永住20万円程度へ大幅引き上げ。法定上限は変更・更新10万円、永住30万円

手数料がかからない手続き(在留資格認定証明書・資格外活動許可・在留資格取得許可など)は改正後も引き続き無料です。

2026年4月24日に衆院法務委員会で可決されており、今国会での成立・2026年度中の施行がほぼ確実な情勢です。企業担当者は今から在留スケジュールの確認・予算見直し・申請体制の整備を進めておくことをおすすめします。

※本記事の情報は2026年4月25日時点のものです。法改正の状況・政令の内容により、実際の手数料額・施行時期は変更される可能性があります。申請の際は必ず出入国在留管理庁の公式情報をご確認ください。

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監修者
編集
菅原 勇人
菅原行政書士事務所代表。埼玉県熊谷市生まれ。2017年早稲田大学大学院卒業後、建材商社へ入社。主に営業として、中小中堅の建設事業者への提案に従事。就労をしながら、行政書士や宅建など法務系資格を複数取得。現在は菅原行政書士事務所の代表として、約1,000件にも及ぶ申請取次業務に携わる。行政書士(埼玉県行政書士会所属 / 第24132052)
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