1,500名のマッチング実績から解説|外国人労働者のトラブル事例とその原因・対策を徹底解説!

外国人労働者の雇用を検討する際、「トラブルが心配」という声をよく耳にします。実際、労働条件の認識違い、在留資格の管理ミス、コミュニケーション不足など、様々なトラブル事例が報告されています。

しかし、これらのトラブルの多くは、適切な準備と受け入れ体制があれば未然に防ぐことができます。重要なのは、起きてしまったトラブルへの対処ではなく、「トラブルが起きにくい組織体制」を最初から構築することです。

この記事では、1,500名以上のマッチング実績を持つ当社が、実際に相談を受けた具体的なトラブル事例をもとに、発生原因と実践的な対策を徹底解説します。外国人雇用を成功させるために企業が知っておくべきポイントを、場面別・原因別に分かりやすくまとめました。

これから外国人材の採用を検討している企業様、すでに外国人労働者を雇用しているがトラブルに悩んでいる企業様は、ぜひ最後までご覧ください。

外国人労働者の雇用におけるトラブルの実態

外国人労働者を雇用する企業が増える中、「採用したものの、想定していなかったトラブルが発生してしまった」という声も少なくありません。

企業側の適切な受け入れ体制を整えるためには、まず実際にどのようなトラブルが起きているのかを把握することが重要です。

外国人労働者自身が遭遇する入社前後におけるトラブル類型

厚生労働省が公表している「令和6年外国人雇用実態調査の概況」に、外国人労働者の就労上のトラブルの内容別割合が確認できます。

厚生労働省_外国人が職場で遭遇するトラブル内容
出典:厚生労働省「令和6年外国人雇用実態調査の概況

こちらを見ると、在留資格別に外国人労働者がよく遭遇するトラブルの累計が確認できます。

「技術・人文知識・国際業務(技人国)」や「高度専門職」をはじめとする、いわゆるホワイトカラー職においては、就労前後の雇用条件や職場に求められる日本語能力に関するギャップが大きく、加えて、問題発生時の相談をどこに実施すれば良いのか、迷われる方が多い様子が伺えます。

一方で、「特定技能」や「技能実習」など、現場職・ブルーワーク層においては、職業紹介のプロセスで送り出し機関やブローカーに対する費用にまつわるトラブルが大半を占めています。

在留資格別で外国人本人が経験するトラブルや問題への認識傾向が異なる点は、受け入れ企業としても押さえておくべき必要があると言えるでしょう。

当社に寄せられる相談の傾向(1,500名のマッチング経験から)

当社がこれまで1,500名近くのマッチング(特定技能・技人国)を行う中で受けた相談で、最も多いのは、「職場の人間関係」「雇用条件の認識齟齬」「日本の就労文化」に起因するトラブルです。

各社が実施する外国人就労者へのアンケートにおいて、退職するに至る理由上位としては「人間関係・マネジメント」・「報酬・給与」が常連となっており、当社としても、受け入れ企業・就労人材からの相談事項ランキングと相違はありません。

ちょっとしたコミュニケーションエラーがきっかけで、人間関係に亀裂が入るパターンや、入社後の雇用条件に関する期待値調整が甘く離職に至るケース、日本独特のビジネスマナーに相入れずにギャップを感じられる方が多くいらっしゃる印象です。

ただし、これらの多くは、事前の丁寧な説明と継続的なフォローで防げるものですので、防止策をいかに張り巡らせるかが大事になってきます。

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【場面別】外国人労働者のトラブル事例7選と対策

ここからは、実際に発生しやすいトラブルを場面別に7つ紹介します。当社が1,500名以上のマッチングを行う中で実際に相談を受けた事例をもとに、具体的な対策まで解説します。

【採用・契約時】労働条件の認識違いによるトラブル

採用時に「年1回昇給・年1回賞与支給」と提示している企業でよく発生するトラブルがあります。外国人労働者の多くは、昇給や賞与の具体的な支給額を想定して生活設計を立てており、実際の支給時にその期待値を下回ると大きな不満につながります。

例えば、「これだけ頑張ったのだから15,000円は昇給するだろう」と見立てていたところ、実際には5,000円の昇給だったため失望してしまうケースです。特に同僚との間で給与額に差が出た場合、トラブルに発展しやすくなります。

海外では同僚同士で給与明細や賞与額を見せ合う文化が一般的なため、「なぜ○○さんは1万円昇給で、私は3,000円なのですか」といった不満を口にする外国人労働者は珍しくありません。日本では給与額を同僚と共有しない文化がありますが、この文化の違いを理解しておく必要があります。

また、残業代や各種手当の計算方法についても認識のずれが生じやすい部分です。「基本給+残業代」という日本では一般的な給与体系も、外国人労働者にとっては複雑に感じられることがあります。

対策:契約書の多言語化と口頭での丁寧な説明

雇用契約書を英語やベトナム語など、相手の母国語に翻訳することが第一歩です。現代では、ChatGPT等の生成AIを活用することで、各国言語への翻訳を短時間で完了させることもできます。

さらに重要なのは、契約書を渡すだけでなく、丁寧なコミュニケーションを取ることです。

入社前の段階では、給与明細のサンプルを用いて「総支給額」「手取り額」の違いを具体的に説明し、実際に手元に残る金額を明確にイメージしてもらうことが大切です。加えて、昇給・賞与については「おおよその支給額の目安」を伝え、過度な期待を持たせないよう注意しましょう。また、評価基準を明確に説明し、どのような働きが高評価につながるのかを示すことで、入社後の目標設定にもつながります。

入社後、同僚との給与差が生じる場合は、その理由を明確に説明できるようにしておきましょう。例えば「○○さんは遅刻が多い一方で、○○さんは遅刻回数0のため、評価に差をつけています」といった具体的な根拠を示すことで、納得感を得やすくなります。さらに、定期的な面談で評価のフィードバックを行い、次回の昇給・賞与に向けた改善点を共有することで、モチベーション維持にもつながります。

こうした丁寧な説明とフォローにより、期待値のずれから生じるトラブルを未然に防ぐことができます。

【在留資格】資格外活動や更新漏れのトラブル

当社に外国人採用のご相談をいただいた際の具体的事例として、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で採用した外国人に、飲食店での調理作業を担わせている企業様がいらっしゃいました。これは明確な入管法違反であり、摘発対象となる行為です。

「技術・人文知識・国際業務」では、飲食店などの現場作業を担わせることができません。しかし、企業様にはその認識がなく、このままでは「不法就労助長罪」として5年以下の懲役または500万円以下の罰金が科される可能性がありました。当社からは在留資格制度の説明を丁寧に実施した上で、既存の就労者を飲食店で雇用できる「特定技能」ビザへ切り替えていただき、新規採用者に関しても「特定技能」へ一本化する形で対応いただくことで、難を逃れることができました。

在留資格には、それぞれ従事できる業務内容が明確に定められています。企業側が「知らなかった」という場合でも入管法違反となり、企業には罰則が科され、外国人労働者本人も在留資格の取り消しや更新不許可のリスクを負うことになります。

対策:在留カードの確認と更新時期の管理

採用時には必ず在留カードの確認を行い、在留資格の種類と就労制限の有無をチェックします。在留カードには就労可否が明記されているため、「就労制限なし」「就労不可」「在留資格に基づく就労活動のみ可」などの記載を確認しましょう。

在留カードのサンプル画像
在留カードのサンプル

また、在留期限の3ヶ月前にはリマインドを行い、更新申請のサポートを行う体制を整えることが重要です。在留期限を過ぎてしまうと不法滞在となり、企業・本人双方に深刻な影響が出ます。

業務内容についても、担当する仕事が在留資格の範囲内かどうかを採用前に必ず確認しましょう。判断に迷う場合は、地方出入国在留管理局や行政書士に事前に相談することができます。

在留資格については「在留資格ってなに?ビザとの違いや取得方法、29種類まとめて解説!」の記事もぜひ合わせてご確認ください。

【業務遂行】指示の理解不足によるミスの頻発

よくある事例として、日本人上司が外国人部下に「この書類、まとめておいて」と指示したところ、非常に雑な仕上がりで提出されてしまうというケースがあります。上司側は「適切にまとめる」ことを期待していましたが、外国人労働者には具体的な指示が伝わっていなかったのです。

他にも、「なるべく早く」「適宜対応」「臨機応変に」といった曖昧な表現は、日本人同士なら察し合える内容でも、外国人労働者には具体的に何をすればいいのか伝わりません。

また、業務指示を出して「はい、わかりました」と返事をもらったことに安心し、後から全く異なるアウトプットを出されるケースも頻繁に見られます。外国人労働者の中には、日本語で「わかりました」と答えることが礼儀だと考えている方もおり、実際には理解できていないまま作業を進めてしまうことがあるのです。

指示が曖昧であったり、外国人労働者の「わかりました」を信用しすぎた結果、期待とは異なるアウトプットになり、双方がストレスを感じることになります。

対策:やさしい日本語の使用とビジュアル化

業務指示は「5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)」を明確にして伝えることが基本です。例えば、「この書類を、明日の午前中までに、A4用紙2枚程度に、要点をまとめてください」というように具体的に指示します。

また、「やさしい日本語」を使うことも効果的です。これは、難しい言葉を避け、短い文で、はっきりと話す手法です。「ご査収ください」→「確認してください」、「至急」→「急いで」など、簡単な言葉に言い換えましょう。

作業手順については、文字だけでなく写真や図、動画などを活用したマニュアルを作成すると理解度が大幅に向上します。特に製造業や飲食業など、実務作業が多い職場では、ビジュアルマニュアルが非常に有効です。

指示を出した後は「何か分からないことはありますか?」と聞くだけでなく、「今説明した内容を、あなたの言葉で説明してもらえますか?」と確認することで、本当に理解できているかをチェックできます。

【職場の人間関係】文化・価値観の違いから生じる摩擦

イスラム教徒ヒンドゥー教徒の従業員が、礼拝の時間を確保できないことや、社員食堂で豚肉(イスラム教徒は食べられない)・牛肉(ヒンドゥー教徒は食べられない)を使った料理しか選択肢がないことに悩んでいたケースがあります。

本人は周囲に迷惑をかけたくないと我慢していましたが、徐々にストレスが蓄積し、職場での表情が暗くなり、最終的には退職を考えるまでになってしまいました。このように、文化・宗教上の配慮が不足していると、本人が声を上げづらいまま問題が深刻化してしまうリスクがあります。

対策:多様性研修と相談窓口の設置

まず、外国人労働者を受け入れる前段階、特に面接時に、宗教が労働に与える影響を確認することが重要です。特に、飲食店や社員食堂のある企業では、味見ができるかどうか、食べられない食べ物はないか等を必ず確認しましょう。

加えて、礼拝への配慮に関しても、企業によって対応できる範囲に限界があるため、礼拝スペースの有無や勤務中に礼拝ができない場合は事前に伝えておくことが大切です。入社後にこうした問題が発覚すると、双方にとって不幸な結果を招きかねません。

既存の日本人従業員に対して「多様性研修」を実施している企業もあります。研修では、宗教・文化・習慣の違いを理解し、お互いに尊重し合う職場環境を作ることを目的に、主要な宗教上の配慮事項を共有します。例えば、イスラム教徒の礼拝時間への配慮(1日5回、各10分程度)、食事の制限(ハラル食品、豚肉・アルコール不可)、ヒンドゥー教徒の牛肉を食べない習慣などです。

事前の面接時における確認と、管理職や同僚に対する研修を通じて、職場内における文化・宗教上の配慮を促すことが、トラブルを未然に防ぐ鍵となります。

【勤怠管理】遅刻・欠勤に関する認識の相違

国や文化によって、時間に対する感覚は大きく異なります。日本では始業時刻の5分前には着席していることが暗黙のルールとされていますが、一部の国や地域では、始業時刻から10〜15分程度の遅れは「許容範囲」と考えられていることもあります。

ある企業では、外国人労働者が頻繁に5〜10分遅刻することが続き、日本人上司が注意したところ、本人は「これくらいの遅れは問題ない」と認識していたことが判明しました。母国では「9時始業」であれば9時10分頃に到着しても特に問題視されなかったため、日本の厳格な時間管理に戸惑っていたのです。

また、有給休暇等の休暇報告に関しても、「当日の朝に連絡すれば十分」と考えている外国人労働者もいます。日本では1-2週間前等の早い時間に連絡することが一般的ですが、この認識の違いが職場での評価に影響を与えてしまうケースもあります。

対策:就業規則の明確化と理由の丁寧なヒアリング

入社時のオリエンテーションで、就業規則の中でも特に勤怠に関するルールを明確に説明しましょう。「始業時刻の何分前には到着すべきか」「遅刻や有給取得の連絡はいつ、誰に、どの方法で行うべきか」といった具体的な基準を示すことが重要です。

また、遅刻や欠勤が発生した際には、頭ごなしに叱責するのではなく、まず理由を丁寧にヒアリングしましょう。交通機関の遅延、体調不良、家庭の事情など、正当な理由がある場合もあります。特に外国人労働者の場合、母国の家族に緊急事態が発生したり、在留資格の手続きで役所に行く必要があったりすることもあります。

理由を聞いた上で、日本の職場における時間管理の重要性を説明し、改善を促すことで、相互理解を深めながら勤怠管理を行うことができます。繰り返し遅刻や欠勤が続く場合は、何か深刻な問題を抱えている可能性もあるため、個別面談を設けて状況を把握することも有効です。

【突然の失踪・音信不通】技能実習生で多発するケース

技能実習生の中には、突然失踪し、音信不通になってしまうケースが存在します。厚生労働省の統計によれば、技能実習生の失踪者数は年間数千人規模で発生しており、深刻な社会問題となっています。

失踪の背景には、給与への不満、労働環境の悪化、人間関係のトラブルなど様々な要因がありますが、共通しているのは「誰にも相談できなかった」という点です。

失踪してしまうと、本人は不法滞在状態となり、強制送還や今後の日本への入国が困難になるなど、人生に大きな影響を及ぼします。企業側も、入管への報告義務があり、受け入れ体制が不十分だったと判断されれば、今後の外国人雇用に制限がかかる可能性もあります。

対策:定期面談の実施と相談しやすい環境づくり

失踪を防ぐために最も重要なのは、定期的な面談を通じて外国人労働者の状況を把握することです。特に、入国してから最初の1年間は日本の生活・職場環境に慣れるために、特にストレスを抱えがちです。そのため、月1回程度の個別面談を設け、仕事の状況、生活面での困りごと、人間関係の悩みなどを丁寧にヒアリングしましょう。

面談は、可能であれば母国語が話せる通訳者や支援スタッフを同席させることで、より本音を引き出しやすくなります。「何か困っていることはありませんか?」と聞くだけでなく、「給与は足りていますか?」「寮の生活で不便なことはありませんか?」といった具体的な質問をすることで、問題の早期発見につながります。

【解雇・退職時】手続きや補償を巡るトラブル

解雇や退職時のトラブルも、外国人労働者の雇用において注意が必要な場面です。ある企業では、本人都合で退職の申し出があったにも関わらず、本人が「突然解雇され、十分な説明もなかった」として労働基準監督署に相談し、問題になったケースがありました。

また、退職時の有給休暇の買い取りや退職金の計算方法について、認識の相違が生じることもあります。母国では退職時に一定の補償金が支払われる制度がある国も多く、日本の制度との違いを理解していない場合、トラブルに発展しやすくなります。

対策:法的手続きの遵守と母国語での説明

外国人労働者に対しては、日本語だけでなく、母国語での説明資料を用意することが重要です。解雇理由、解雇日、解雇予告手当や退職金の金額、失業保険の手続き方法、在留資格への影響などを、書面で丁寧に説明しましょう。

また、解雇に至る前に、改善の機会を与えることも大切です。業務態度や成績に問題がある場合は、事前に警告を行い、改善のための具体的な目標と期限を示します。それでも改善が見られない場合に、初めて解雇を検討するという段階的なアプローチが、法的リスクを低減します。

退職時には、必ず本人の署名がある退職届を回収し、離職票や雇用保険の手続き、住民税の納付方法、健康保険の切り替えなど、様々な手続きについても話し合っておく必要があります。必要に応じて行政書士や社会保険労務士などの専門家に相談しながら進めることをおすすめします。

円満な退職は、企業の評判にも関わります。たとえ解雇であっても、丁寧な説明と適切な手続きを行うことで、トラブルを最小限に抑えることができます。

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外国人労働者とのトラブルが起きる3つの根本原因

これまで紹介してきた様々なトラブル事例には、共通する根本的な原因があります。ここでは、トラブルが発生する背景にある3つの要因を解説します。

コミュニケーション不足(言語の壁と説明の不十分さ)

外国人労働者とのトラブルで最も多い原因が、コミュニケーション不足です。

日本語能力が十分でない外国人労働者に対して、日本人同士と同じ感覚で曖昧な指示を出したり、専門用語を多用したりすることで、意図が正確に伝わらないケースが頻発します。

また、「わかりました」という返事を額面通りに受け取り、理解度を確認しないまま業務を進めてしまうことも問題です。

さらに、企業側が外国人労働者の母国語でのサポート体制を整えていないため、本人が困りごとを抱えても相談できず、問題が深刻化してしまうことも少なくありません。

こうした積み重ねが外国人側にとって「コミュニケーションがうまくいかない=人間関係が悪い」という感覚につながっていってしまう企業は実際に多い印象です。

企業側の受け入れ体制・知識の不足

外国人労働者を雇用する企業側に、在留資格制度や労働関連法令に関する知識が不足していることも、トラブルの大きな原因です。

在留資格ごとの就労制限を理解せずに業務を割り振ってしまったり、雇用契約書の多言語化や丁寧な説明を怠ったりすることで、後々大きな問題に発展します。

また、外国人労働者を受け入れるための社内体制が整っていないまま採用を進めてしまい、既存の日本人従業員が外国人との接し方に戸惑い、職場の雰囲気が悪化することもあります。受け入れ前の準備不足が、様々なトラブルの引き金となっているのです。

文化・習慣・労働観の違いへの理解不足

日本と外国では、文化・習慣・労働観が大きく異なります。

時間に対する感覚、報告・連絡・相談の文化、上下関係の捉え方、宗教上の配慮など、日本では当たり前とされていることが、外国人労働者にとっては理解しがたいこともあります。

企業側がこうした違いを認識せず、「日本のやり方」を一方的に押し付けてしまうと、外国人労働者は強いストレスを感じ、モチベーションの低下や離職につながります。

逆に、外国人労働者側も日本の企業文化を十分に理解しないまま働き始めることで、意図せずルール違反をしてしまうこともあります。相互理解の不足が、職場での摩擦を生む根本原因となっています。

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外国人雇用を成功させるための受け入れ体制の作り方

個別のトラブル対応も重要ですが、より本質的なのは「トラブルが起きにくい組織体制」を構築することです。ここでは、外国人労働者が安心して長く働ける環境を整えるための、5つの重要な取り組みを紹介します。

採用戦略の段階から外国人雇用を組み込む

外国人雇用を「人手不足の穴埋め」として場当たり的に進めるのではなく、採用戦略の段階から組み込むことが重要です。

どの部署で、どの在留資格の外国人を、何名採用するのかを明確にし、受け入れ部署の責任者や人事担当者が事前に在留資格制度や外国人雇用のルールを学ぶ機会を設けましょう。

また、自社で対応できる在留資格の範囲を明確にし、募集要項の段階から適切な候補者を集められるよう工夫することで、採用後のミスマッチを防ぐことができます。

さらに、外国人雇用に関する社内ガイドラインやマニュアルを整備し、担当者が変わっても一貫した対応ができる体制を作りましょう。

入社前オリエンテーションプログラムの確立

入社前または入社直後に、外国人労働者向けの包括的なオリエンテーションプログラムを実施することが、その後のトラブル予防に大きく貢献します。

プログラムには、雇用契約の詳細説明(給与体系・昇給・賞与の仕組み)、就業規則の説明(勤怠管理・服務規律)、社内組織図と相談窓口の紹介、日本の企業文化とビジネスマナー、生活サポート情報(行政手続き・医療機関・交通機関)などを盛り込みましょう。

当社自身も全社員の80%が外国籍という多国籍な組織を運営しており、入社時の研修体制を整備しています。具体的には、人事担当者が業界知識や社内制度の説明を行い、ビジネスマナーなど日本企業で働く上で必要とされる事項については外部の研修会社に委託する形で進めています。このように、社内で対応できる部分と外部の専門性を活用する部分を使い分けることで、効率的かつ質の高いオリエンテーションを実現できます。

可能であれば、先輩の外国人社員にメンター役を依頼し、実体験に基づくアドバイスをもらえる機会を設けることも効果的です。このプログラムを母国語資料と通訳を交えて実施することで、理解度が大幅に向上します。

多文化共生を推進する社内文化の醸成

外国人労働者を「特別扱い」するのではなく、多様性を当たり前に受け入れる社内文化を醸成することが、長期的な成功の鍵です。

全社員に対して異文化理解研修を実施し、宗教・文化・習慣の違いを学ぶ機会を設けることも効果的です。また、社内コミュニケーションにおいて「やさしい日本語」を標準化し、日本人同士でも曖昧な表現を避けることを推奨します。

さらに、社内イベントや懇親会で各国の文化を紹介し合う機会を作ったり、多言語での社内掲示物を増やしたりすることで、外国人労働者が「歓迎されている」と感じられる環境を作りましょう。経営層が多文化共生の重要性を明確に発信することも、社内文化の変革には不可欠です。

継続的なフォローアップとキャリア支援の仕組み化

入社後のフォローアップを「担当者の善意」に頼るのではなく、仕組みとして確立することが重要です。

月1回の定期面談をスケジュールに組み込み、業務・生活・キャリアの3つの観点から状況を確認しましょう。また、入社3ヶ月・6ヶ月・1年といった節目での振り返り面談を実施し、目標設定と評価のフィードバックを丁寧に行います。

外国人労働者にとって、日本でのキャリアパスが見えることは大きなモチベーションになります。昇進・昇格の基準を明確にし、将来的にリーダーやマネージャーへのキャリアアップが可能であることを示すことで、長期的な定着を促すことができます。在留資格の更新サポートも、企業が主体的に行う仕組みを作りましょう。

外部専門家・支援機関との連携体制の構築

外国人雇用に関する全ての問題を社内だけで解決しようとするのは現実的ではありません。外部の専門家や支援機関と連携する体制を構築しておくことで、困難な状況にも適切に対応できます。

行政書士(在留資格の相談)、社会保険労務士(労務管理)、弁護士(トラブル対応)、日本語学校(語学教育)、登録支援機関(特定技能のサポート)など、各分野の専門家と事前に関係を築いておきましょう。

また、外国人雇用に詳しい人材紹介会社と継続的に連携することで、最新の制度情報やベストプラクティスを学ぶこともできます。

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まとめ

外国人労働者の雇用におけるトラブルは、決して避けられないものではありません。本記事で紹介してきたように、多くのトラブルは事前の準備と適切な受け入れ体制があれば未然に防ぐことができます。

採用・契約時の丁寧な説明、在留資格の適切な管理、コミュニケーションの工夫、文化・宗教への配慮、そして継続的なフォローアップ。これらの取り組みを一つひとつ実践していくことで、外国人労働者が安心して長く働ける職場環境を作ることができます。

重要なのは、トラブルが起きてから対処するのではなく、「トラブルが起きにくい組織体制」を最初から構築することです。外国人雇用を「人手不足の穴埋め」ではなく、企業の多様性を高め、成長を加速させる戦略的な取り組みとして位置づけることで、企業と外国人労働者の双方にとって価値のある雇用関係を築くことができます。

当社ジンザイベースは、1,500名以上のマッチング実績を持ち、自社でも全社員の80%が外国籍という多国籍組織を運営してきた経験から、外国人雇用の「リアルな課題」と「実践的な解決策」を熟知しています。

外国人雇用でお困りの企業様、これから外国人材の採用を検討されている企業様は、ぜひ一度ジンザイベースにご相談ください。貴社の状況に合わせた最適な採用プランのご提案から、入社後の定着支援まで、トータルでサポートいたします。

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監修者
編集
中村 大介
1985年兵庫県神戸市生まれ。2008年に近畿大学卒業後、フランチャイズ支援および経営コンサルティングを行う一部上場企業に入社し、新規事業開発に従事。2015年、スタートアップを共同創業。取締役として外国人労働者の求人サービスを複数立上げやシステム開発を主導。2021年に株式会社ジンザイベースを創業。海外の送り出し機関を介さず、直接マッチングすることで大幅にコストを抑えた特定技能人材の紹介を実現。このシステムで日本国内外に住む外国人材と日本の企業をつなぎ、累計3000名以上のベトナム、インドネシア、タイ、ミャンマー、バングラデシュ、ネパール等の人材採用に携わり、顧客企業の人手不足解決に貢献している。著書「日本人が知らない外国人労働者のひみつ(2024/12/10 白夜書房 )」
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