注意点は!?外国人労働者を雇用する際の銀行口座について

注意点は!?外国人労働者を雇用する際の銀行口座について

目次

 「給与支払いのために外国人社員に銀行口座を開設してほしい」

「外国人社員から銀行口座開設について質問されたけどよく分からない」

といった悩みを抱えている人事担当者の方も多いかと思います。

そこで今回は、人事担当者の皆様が外国人社員の銀行口座開設をサポートできるように、外国籍の方が口座を開設する方法と注意点を解説していきます。

 

外国人労働者が口座を開設するには?

必要な物

銀行口座開設の際には、一般的に下記の持ち物が必要とされています。

・本人確認証:特別永住者証明書、パスポート、日本での健康保険証、日本国内の運転免許証、在留カードなど。

・現住所の確認できる書類:電気、水道、ガスなどの公共料金の領収書、住民票の写し、固定電話料金の領収書など。

・電話番号:本人と常に連絡が取れる番号が必須です。常日頃使用している携帯電話番号で問題ありません。

・印鑑:銀行印として使用する印鑑が必要となります。

開設の流れ

・ステップ1

上記の持ち物が用意できたら、口座を開設したい店舗に来店します。

開設する店舗は職場や自宅から近い店舗にすると良いでしょう。

銀行によっては、前もって来店日時を予約できるオンラインサービスを行なっているところもありますので、もし来店日時が決められるのであれば予約しましょう。

スムーズに開設を進めることが可能です。

店舗によっては外国語に対応していないこともあるので、予約時に確認を取りましょう。

・ステップ2

来店後、申し込みが問題なく終われば通帳をその日のうちに受け取ることができます。

・ステップ3

開設完了後、自宅に郵送でキャッシュカードが届きます。

自宅に到着するまでの日数は銀行により異なるため、開設時に説明を受けておきましょう。

キャッシュカードの暗証番号は控えて大切に保管しましょう。

銀行によっては、オンラインで手続きすることができるケースもあるので、開設予定の銀行に問い合わせをしてみてください。

 

外国人労働者が口座開設する際の注意点

外国籍の方が口座を開設する際には、一定の条件があります。

まず、日本で銀行口座を開設する際には住民票や在留カードが必要ですが、在留カードは90日間以上の長期滞在の場合にのみ発行されます。

在留カードがなければ住民票を発行することもできないため、短期滞在者の方は日本での口座開設は不可能となっています。

また、3か月を超える滞在の場合でも、その滞在期間が6か月未満の場合は非居住者として捉えられるため、普通預金口座を開設することができず非居住者円預金のみの開設しか認められていません。

普通預金口座の開設は、基本的には滞在期間が6ヶ月以上の場合にのみ可能です。

ただし例外もあり、例えばゆうちょ銀行では滞在期間が3ヶ月以上であれば6ヶ月未満でも普通預金口座の開設が可能となっています。

普通預金口座では海外への送金が可能ですが、非居住者円預金口座ではできません。

そのため、母国への仕送り等が叶わない状態となります。

また、非居住者円預金口座では口座引き落としに対応していないため、家賃やガス・水道・電気などライフラインの支払いをする上でも不便です。

それ以外にも、犯罪利益移転防止法の制定により、氏名生年月日や住所のほかにも口座開設の目的や職業などを昨今の日本では問われる場合があります。

問われる内容は銀行により異なるため、事前に確認しておけば不安はないでしょう。

その、外国人が口座開設をした後には在留期間中、帰国する際の両方において注意点があります。

先に在留期間中の注意点から解説していきます。

禁止行為を行なった場合、法令による処罰、国外退去・入国禁止処分などの罰則が与えらえる場合がありますのでご注意ください。

禁止行為

・地下銀行やヤミ金融

地下銀行とは、免許を持たずに銀行業を行うことや登録を受けずに資金移動業を行うこと、ヤミ金融とは登録を受けずに貸金業を行うことです。

どちらも、不正に金銭を取り扱っている業者として処罰の対象となります。

・マネー・ローンダリングへの関与

犯罪による収益を、その出所や所有者を隠して預金したり送金したりすること。

捜査機関による収益の発見や検挙を逃れようとして隠蔽を行い金銭のやり取りをすることは犯罪です。

・預貯金口座への売買・譲渡

預金通帳やキャッシュカードの売却・譲渡・貸与なども含まれます。

預貯金口座を他者に使用させることは犯罪です。

・クレジットカードやキャッシュカード、通帳などを偽造し使用すること

技能実習生や特定技能外国人の間でとても増えている事例です。歴とした違法行為ですので、気をつけましょう。 

その他にも在留期間中に注意することとして、住所や在留資格・期間の変更があった際には銀行で情報の更新が必要となります。

情報の更新が必要な場合

・住所や在留資格・期間の変更があった場合

・退職や退学をした場合

・通帳・キャッシュカードを紛失した場合

・通帳及びキャッシュカードの不正利用の被害に遭った場合

帰国する際の注意点

最後に、帰国する際に注意するべき点について解説します。

・口座を解約してから帰国する

口座を解約せずに10年以上、ゆうちょ銀行では5年放置した場合、預金を利用できなくなる可能性があります。

もし預金が0円となった場合でも、解約手続きが完了したことにはならないため、必ず解約をしてから帰国しましょう。

・支払いを終えてから口座を解約する

もし、日本国内で発生した料金の支払いを失念し口座を解約し、未払いのまま帰国してしまうと日本の信用情報機関での情報に傷がつき、結果として日本国内でのクレジットカードや賃貸の契約ができなくなります。

未払いのまま帰国してしまうと訴訟になってしまう場合があるため、支払いは必ず全て終えてから口座の解約を行ってください。

・通帳やキャッシュカードなどを売却しない

帰国時に、もう必要なくなったからと言って第三者に口座を売却することは犯罪です。

売却された口座情報は振込め詐欺等の犯罪収益の受け渡し先となる危険があります。

犯罪に使用された場合、その犯罪に関与したとして法令による処罰、国外退去処分、入国禁止となるおそれがあります。

以上、外国の方が銀行口座を開設する際の手順と注意点をご紹介しました。

外国人労働者の受け入れには他にも様々な準備をする必要があります。何から手をつけて良いか分からない!という方は当社にお問い合わせください。

カテゴリ:
採用ノウハウ
タグ:

中村 大介

株式会社ジンザイベースCEO。1985年兵庫県神戸市生まれ。2008年に近畿大学卒業後、フランチャイズ支援および経営コンサルティングを行う一部上場企業に入社し、新規事業開発に従事。2015年、スタートアップを共同創業。取締役として外国人労働者の求人サービスを複数立上げやシステム開発を主導。海外の学校や送り出し機関との太いパイプを活用し、ベトナム、インドネシア、タイ、ミャンマー、バングラデシュの人材、累計3000名以上の採用に携わり99.5%の達成率にて、クライアント企業の事業計画の推進に成功。このノウハウを活かし、パフォーマンスを倍加させた新しいシステムを活用し、国内在住の外国人材の就職の課題を解決すべく2021年に株式会社ジンザイベースを創業。趣味はキャンプとゴルフ。