永住権はどうやって取得できる?条件や永住者、帰化との違いについても解説!
この記事では、永住権の基本的な知識に加え、永住者と帰化の違いや取得メリット、申請方法などをまとめて解説していきます。外国人労働者の永住権に関して基本的な知識を得たい方は、是非最後までお付き合いください。
永住権ってなに?
まずは永住権とは何かについてお話していきましょう。
永住権とは、身分系在留資格である「永住者」に紐づく権利であり、在留期間に制限されることなく日本に滞在することができる権利のことを指します。
この永住権は、日本での活動の制限も定められておらず、職種や業種を問わず就労することが認められています。
取得には特定の要件を満たす必要がありますが、これらについては後ほどお話します。
なお、永住等の在留資格については、「【在留資格とは】種類や取得要件、ビザとの違いなどを簡単解説」も併せてご覧ください。
在留資格「永住者」を取得している人はどのくらいいる?
では、日本にはどれくらいの永住者がいるのかを、近年の推移とともに確認してみましょう。
上記の法務省が公表しているデータを見てみると、永住者は他の在留資格よりも多い人数かつ、増加傾向にあることがわかります。
2022年末では863,936人で在留外国人全体の28.1%となっており、2番目に多い技能実習324,940人の約2.66倍もの人数がいるのです。
後ほどご紹介する特別永住者と併せれば、115万人を超える規模を誇っています。
また、2022年末時点での永住者を国籍別で見ると以下のグラフの通り、多い順から中国・フィリピン・ブラジル・韓国・台湾、、、となっております。
在留者数の統計データについては、こちらの出入国在留管理庁HPをご覧ください。
なぜ「永住者」を取得するの? | 永住権取得のメリット
ここからは永住権を取得するメリットについてご紹介します。
永住権を取得するメリットは大きく3つあり、以下の通りです。
①在留期間の制限がなくなる
永住権に紐づく永住者の在留期限は「無制限」です。そのため他の在留資格と異なり在留資格自体の更新の必要がありません。
しかし、永住者を含むすべての中長期在留者に発行される「在留カード」には有効期間があります。そのため、定期的に在留カードの更新の手続きが必要です。
更新は有効期間の2ヶ月前から可能で、感覚的には運転免許証の更新に近いです。
②就労の制限がなくなる
他の在留資格は資格の種類ごとに就労できる業務、内容に制限がありますが、永住権を持つ永住者の在留資格はこの制限がありません。
そのため、日本人と同じように就きたい職業をいつでも自由に選択することが可能です。
外国人労働者の就労制限については、「【就労制限とは】在留資格別の就労制限の有無や確認方法を解説」の記事も併せてご覧ください。
③住宅ローンなどが組みやすくなる(社会的信用度があがる)
永住権保有者は、在留期限がなくなるだけでなく、日本政府より「日本で半永久的に暮らしてもよい」と認められるほど「信用を得ている人物」とも考えられます。
言い換えると、日本で永住権を取得することは、日本人同等の社会的信用を得たことになります。
そのため、結果的に、住宅ローンが組みやすくなったり、ハイクラスのクレジットカードが作りやすくなったりします。
日本で永住権を取得するのは難しい? | 永住権取得の条件
日本に在留し続けるにはメリットが大きい永住権ですが、取得する条件は難しいのでしょうか?
ここでは永住権(永住者)を取得するための審査条件について見ていきます。
素行善良要件 | 法令違反の有無は?
まず条件のひとつ目は「素行が善良か」ですが、簡単に言うと、「法律や法令違反をしていないか」ということです。
犯罪による懲役、禁錮または罰金や、暴力団との関係性などだけでなく、納税義務などの公的義務を果たしているかなども素行善良の要件とされています。
道路交通法違反などの軽微な違反などは素行不良とはみなされないケースが多いようですが、何度も繰り返し行うと素行不良となる可能性もあります。
独立生計要件 | 生活していくための資産は?
次の条件としては「独立生計要件」です。
出入国在留管理庁の永住許可に関するガイドラインでは、以下のように記載されております。
(2)独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
日常生活において公共の負担にならず、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること。
言い換えると、将来にわたって日本で生活をしていく上で自活していくだけの収入や資産、スキルがあるかどうかです。あくまでも目安ですが、世帯年収が3年間にわたって300万円以下であったり、生活保護を受給しているなどはこの要件を満たさないと判断されてしまうでしょう。
国益適合要件 | 日本にとって利益がある?
最後は「国益適合要件」で、その外国人の永住が日本にとって利益になるかどうかです。
こちらも出入国在留管理庁の永住許可に関するガイドラインでは以下のように記載されています。
(3)その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
ア 原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし、この期間のうち、就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く。)又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。
イ 罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。公的義務(納税、公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務)を適正に履行していること。
ウ 現に有している在留資格について、出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。
エ 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。
それぞれ簡単に説明すると、
ア:来日から現在まで10年間以上連続で日本に居住しており、そのうち5年間は「就労資格(技能実習、特定技能1号を除く)」または「居住資格」で在留をしていることが必要です。例えば、留学で来日し日本の大学で4年間、その後は技術・人文知識・国際業務で日本企業にて6年間就労している様なケースです。
イ:前述の素行善良要件と一部重複しますが、犯罪による懲役、禁錮または罰金や、暴力団との関係性などだけでなく、納税義務などの公的義務を果たしているかなども素行善良の要件を満たしているかが判断されます。年金や健康保険などの滞納がないかも調べられることがあります。
ウ:現在有している在留資格の最長の在留期間をもって在留している必要があるということです。今では多くの在留資格で在留期間の最長期間が5年となっていますが、審査上、当面の間は、在留期間が3年の在留資格でも最長の在留期間として取り扱うこととなっております。
エ:永住権を希望する外国人本人が、何らかの感染症にかかっていないかなど、公衆衛生上で問題がない必要があります。
永住権を取得するための特例がある?
前述では永住権の取得要件として3つの要件を紹介しましたが、これにはいくつかの特例が存在します。
①日本人または在留資格「永住者」「特別永住者」の配偶者か子供である
この場合は、
- 素行善良要件
- 独立生計要件
の2つが免除されることになっています。
②原則10年在留に関する特例
これは10年間の在留がなくても永住権の申請ができる特例です。
こちらも出入国在留管理庁の永住許可に関するガイドラインの記載の一部抜粋と共に簡単に解説していきます。
(1)日本人、永住者及び特別永住者の配偶者の場合、実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上本邦に在留していること。その実子等の場合は1年以上本邦に継続して在留していること
日本人または永住者の配偶者である場合で、婚姻期間中に別居などがなく実体を伴った婚姻生活が3年以上継続していれば、1年日本に在留していれば永住申請が可能です。日本人または永住者の子供の場合は、1年以上日本に在留していれば永住申請が可能になります。
(2)「定住者」の在留資格で5年以上継続して本邦に在留していること
「定住者」の在留資格の外国人は、定住者の在留資格で5年以上途切れることなく日本に住んでいれば永住申請が可能です。
(3)難民の認定を受けた者の場合、認定後5年以上継続して本邦に在留していること
難民申請をしている外国人が難民認定を受けた場合、認定の日から5年以上日本に在留していれば永住申請が可能になります。難民申請の審査期間は長いですが、審査期間中の在留については5年にカウントされません。
(4)外交、社会、経済、文化等の分野において我が国への貢献があると認められる者で、5年以上本邦に在留していること
「外交・社会・経済・文化等の分野において我が国への貢献があると認められる者」に該当する場合には、10年以上でなく5年以上日本に在留していれば良いという特例です。また、期間が5年以上に短縮されているだけでなく、「継続して」の在留でなくともよいことがポイントとなります。
「貢献があると認められる者」については、出入国在留管理庁が発表している「我が国への貢献」に関するガイドラインを参照して下さい。
(6)出入国管理及び難民認定法別表第1の2の表の高度専門職の項の下欄の基準を定める省令(以下「高度専門職省令」という。) に規定するポイント計算を行った場合に70点以上を有している者であって、次のいずれかに該当するもの
ア 「高度人材外国人」として3年以上継続して本邦に在留していること。
イ 3年以上継続して本邦に在留している者で、永住許可申請日から3年前の時点を基準として高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に70点以上の点数を有していたことが認められること。
(7)高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に80点以上を有している者であって、次のいずれかに該当するもの
ア 「高度人材外国人」として1年以上継続して本邦に在留していること。
イ 1年以上継続して本邦に在留している者で、永住許可申請日から1年前の時点を基準として高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に80点以上の点数を有していたことが認められること。
「高度専門職」の在留資格を保有している場合は、在留資格を取得した時から3年以上日本に在留していれば永住申請が可能という特例です。
また、他の在留資格で在留している場合でも、永住許可申請日から3年前の時点を基準として、高度専門職ポイント計算表で計算をおこなった場合に、70点以上の点数を有していたことが認められれば、永住申請が可能になります。
さらに、80点以上の高度人材在留資格を保有している場合は、1年以上日本に在留していれば永住申請が可能で、 上記同様に、他の在留資格以外で在留している場合でも、永住許可申請日から1年前の時点を基準として、高度専門職ポイント計算表で計算をおこなった場合に、80点以上の点数を有していたことが認められれば、永住申請が可能になるのです。
永住者と「特別永住者」「帰化」「定住者」との違いはなに?
ここからは、先程から出てきている「特別永住者」や「定住者」、「帰化」と永住者の違いについて見ていきます。
永住者と「特別永住者」はなにが違う?
まずは、永住者と特別永住者の違いについてです。この違いについては、「特別永住者」とは何かを見ていくとわかり易いです。
どちらの在留資格も、日本において永住を許可された資格であるという点では同一ですが、
となっており、両者は根拠となる法が異なっております。
上記の、日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等とは、第二次世界大戦の以前から日本に居住して日本国民として暮らしていた外国人で、戦後、サンフランシスコ平和条約により日本国籍を失った方々のことです。
主に韓国・朝鮮、台湾出身の方が占めており、戦後も母国に帰らず日本で生活している人が多くいたため、その方々やその子孫が日本へ定住することなどを考慮した上で、永住する権利を与えたのが特別永住者です。
そのため、永住者との審査基準や法律上での義務も異なります。
彼らを雇用する上での大きな違いは2つあり、「在留カードの有無」と「外国人雇用状況届出の要否」です。
- 永住者:在留カードの交付あり、かつ、カード携帯の義務あり。就労時は外国人雇用状況届出が必要。
- 特別永住者:在留カードの交付はなく、代わりに特別永住者証明書が交付されるが、これらの携帯義務はなし。就労時は外国人雇用状況届出は不要。
なお、外国人雇用状況届出に関しては「【外国人雇用状況届出とは】手続き概要や様式、提出方法などを解説」も併せてご覧ください。
永住者と「帰化」の違いは?
次に、よく間違われやすい「帰化」との違いです。
簡単に説明すると、
のことを指します。
「帰化」は外国籍ではなくなり日本人になるので、在留資格制度からは外れ、日本人が受ける社会保障などの様々な権利も、全て同じように受けられることになります。
永住者の在留資格を取得するよりも、帰化の申請・承認のハードルは更に高くなります。
日本では二重国籍が認められていないため、帰化をし日本国籍を取得したい場合は元々の国籍を手放す必要があります。もし、元の国籍に戻したいと思った時に、国籍を取り直すことが困難な国もあるので、帰化には十分な検討が必要です。
「定住者」って永住者と同じじゃない?
また、「定住者」もよく混同されますので、その違いを簡単にお話しておきましょう。
「定住者」とは法務大臣が特別な理由を考慮した上で、一定の在留期間を指定して居住を認める者、及びその在留資格のことを指します。
定住者の具体例としては
- 日系人
- 定住者の実子
- 日本人や永住者の配偶者の実子
- 日本人や永住者・定住者の6歳未満の養子
- 日本人や永住者と結婚後、3年以上経過してから離婚した人
等が挙げられます。
永住者と異なり在留期間に定めがある上、在留資格の更新手続きが必要となります。
定住者については、「【在留資格「定住者」とは】概要や取得要件、取得までの流れを解説」の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
永住の許可をもらうためにはどうしたらいい?
ここからは永住権の申請から許可をもらうためにどうすればよいかを見ていきます。
永住申請に必要な書類は?
まず、永住権を取得するには「永住許可申請」を行う必要があります。
この申請手続きは原則本人が行うものとされており、以下の通りです。
手続対象者
①永住者の在留資格に変更を希望する外国人
②出生等により永住者の在留資格の取得を希望する外国人
申請期間
①変更を希望する場合、在留期間の満了する日まで。ただし、永住許可申請中に在留期間が経過する場合は、在留期間の満了する日までに別途在留期間更新許可申請をすることが必要。
②取得を希望する場合は、出生やその他事由発生後30日以内。
申請先
居住する地域を管轄している地方出入国在留管理官署、または、外国人在留総合インフォメーションセンター
必要書類
必要書類は、申請人の在留資格や身分・地位によって異なりますが、在留資格変更の場合の必要書類は以下の通りです。
前述の通り、ケースによっては書類が異なります。詳細は以下からご確認下さい。
▶1:申請人の方が、日本人の配偶者、永住者の配偶者、特別永住者の配偶者又はその実子等である場合
▶2:申請人の方が、「定住者」の在留資格である場合
▶3:申請人の方が、就労関係の在留資格(「技術・人文知識・国際業務」、「技能」など)及び「家族滞在」の在留資格である場合
▶4:申請人の方が、「高度人材外国人」であるとして永住許可申請を行う場合
審査期間ってどれくらい?
永住許可申請は、他の申請よりも審査期間が長く、短くても4か月、長ければ1年程度かかるケースもあります。
また、ここまで解説してきた各種要件を基とするものの、最終的に法務大臣の裁量で判断されるため、仮に全ての要件に該当していても不許可となる可能性があることは留意しておくべきでしょう。
本人以外でも申請できる?
前述の通り、申請手続きは原則本人とされておりますが、本人以外でも、申請人本人の法定代理人と、以下に記載の取次者は代理で申請を行うことが可能です(出典:出入国在留管理庁|永住許可申請)。
取次者
(1)地方出入国在留管理局長から申請等取次者としての承認を受けている次の者で、申請人から依頼を受けたもの
・申請人が経営している機関又は雇用されている機関の職員
・申請人が研修又は教育を受けている機関の職員
・外国人が行う技能、技術又は知識を修得する活動の監理を行う団体
・外国人の円滑な受入れを図ることを目的とする公益法人の職員
(2)地方出入国在留管理局長に届け出た弁護士又は行政書士で、申請人から依頼を受けたもの
(3)申請人本人が16歳未満の場合又は疾病(注1)その他の事由により自ら出頭することができない場合(注2)には、その親族又は同居者若しくはこれに準ずる者(注3)(注4)で地方出入国在留管理局長が適当と認めるもの
(注1)「疾病」の場合、疎明資料として診断書等を持参願います。
(注2)理由書(任意様式)等を持参願います。
(注3)申請人との関係を証明する資料(住民票等)を持参願います。
(注4)例として、以下の場合が認められます。
永住権の申請が不許可になってしまうケース
永住権が不許可になる可能性があるケースをいくつかご紹介しておきますので、参考にしてみてください。
- 世帯収入が低い
- 年金や社会保険料の未納や滞納履歴がある
- 交通ルールの違反が多い
- 海外への出張や駐在期間が長い
- 扶養人数が多い
基本的には先に挙げた3つの要件に関連した不許可ケースが多いので、注意しておきましょう。
在留資格「永住者」は更新する必要がある?
ほとんどの在留資格は期限があるため、付与された在留期間を超えて引き続き在留するには「在留期間更新許可申請」が必要です。
一方で、先にお伝えした通り、永住者は在留期間に制限がないため在留資格の更新は必要ありません。
しかし、永住者を含むすべての中長期在留者には「在留カード」が発行され、この在留カードには有効期間があります。
そのため、定期的に在留カードの更新の手続きが必要で、有効期間満了日の2か月前から更新手続きが可能です。
在留カードの更新を行わず有効期限が切れても、在留資格自体がなくなるわけではありません。ただ、在留カードを身分証として使用することはできなくなってしまいますし、有効な在留カードを常時携帯しておくという義務に違反します。その際は、企業への罰則もあるため、永住者であっても企業側は在留カードの有効期限を把握しておくことをおすすめします。
永住者を採用するときに、気をつけるポイントはある?
最後に、永住者を採用する際はどのようなことに気をつける必要があるか解説していきます。
外国人雇用状況の届出を忘れずに
「外国人雇用状況の届出」は、事業主が外国人労働者を新たに雇入れ及び離職する際に提出が義務づけられています。正社員かアルバイトかなど雇用形態に関係なく必要な届出で、届出を怠ったり、虚偽の届出を行った場合には、30万円以下の罰金の対象となります。
これは就労制限や在留期間制限がない永住者を有する外国人であっても必要な手続きです。
一方で、「特別永住者」の在留資格の外国人であればこの手続きは不要になります。
海外転勤を命じる/一時帰国する際には要注意
もし、永住者を有する外国人が海外へ長期出張や転勤、一時帰国などで1年以上日本を離れる場合は注意が必要です。
その理由としては以下の2つがあります。
①:出国時に再入国許可が必要
再入国許可とは、日本に在留している外国人が一時的に出国した後に再入国をする場合、入国手続きを簡素化するために先立って与える許可のことです。
もし、この再入国許可を受けずに出国をした場合は、その外国人が有していた在留資格と在留期間が消失してしまうため、海外への長期出張や転勤、一時帰国の場合にはこの再入国許可を出国当日までに受ける必要があります。
再入国許可には、1回限り有効のものと有効期間内であれば何回も使用できる数次有効のものの2種類があり、その有効期間は、その外国人が有している在留期間の範囲内で最長5年間(特別永住者の方は6年間)で、その期間は海外に滞在することができます。
再入国許可については、「外国人の一時帰国に手続きは必要?(再入国許可・みなし再入国許可)」で詳細をご確認ください。
②:海外滞在中に再入国許可(在留期間)が切れてしまうと永住者の地位が喪失
もし、海外滞在中に再入国許可の期限(在留期間)を超過してしまった場合、日本における永住者としての地位は喪失してしまいます。
これは救済措置などもないため、改めて永住権の申請が必要になるのです。
再入国許可の期限については、有効期限内に再入国できないことに相当な理由がある場合には、1回に限り延長できる場合があります。その際は、有効期間は1年を超えず、かつ、当該許可の効力発生の日から6年(特別永住者の場合は7年)を超えない範囲内での許可とされており、日本を出国する前に与えられていた在留期限を超えて有効期間を延長することはできません。
また、永住権を申請する予定の外国人が日本から出国をする場合、永住権申請に必要な在留年数がリセットされてしまいます。そのため、永住権をとりたい外国人を社員として雇用している場合は、海外転勤を打診しても断られることもあるでしょう。もし採用後に、長期の海外出張や転勤の可能性がある場合には注意が必要です。
そもそも採用難易度が高い?
就労内容や在留期間に制限がない「永住者」の外国人の採用を希望する企業は多いでしょう。
しかし、彼らも就労制限がないため、いわゆるホワイトカラーの仕事を望む傾向が強いです。
そのため、単純作業や現場業務などのブルーカラー職種での採用は、待遇面等での相当なメリットがないと難しいと言えるでしょう。
単純作業や現場業務などで外国人労働者の雇用を考えている方は、「特定技能」の在留資格の外国人雇用を検討されるのをおすすめします。
まとめ
今回は外国人労働者の永住権について、基本的な内容をお伝えしてきましたが、いかがでしたか。
永住権を持つ外国人労働者は、企業にとっても非常に魅力的な人材であることは間違いありません。
是非この記事を参考に、永住権を持った外国人労働者の採用を検討してみてはいかがでしょうか。
菅原 勇人
株式会社ジンザイベース営業リーダー兼日々育児に奔走する一児のパパ。 1991年、「日本一暑い街」として有名な埼玉県熊谷市に生まれる。それが講じてか、何ごとにも熱く全力で取り組むことがモットーである。2017年に早稲田大学大学院卒業後、建設会社へ就職。5年間、主に営業として活動を行い、次々に大型案件に携わる。だが、職務を遂行する中で、工場や工事現場での外国人の待遇に疑問を感じ、現職へ転職を決意。特定技能外国人の紹介を通じ、外国人労働者の地位向上そして働く人全員の様々な可能性を最大化できることを目標としている。仕事のかたわら、資格取得にもチャレンジし、ビジネス実務法務検定2級や宅地建物取引士、行政書士など法務系の試験に次々に合格。現在も引き続き資格取得のため学習を続け、法務知識も併せ持つ営業として唯一無二の営業スタイルの確立を目指す。趣味は、野球観戦と読書、ドライブ。