【外国人雇用に役立てる!】日本で働くミャンマー人の性格や気質などの特徴を紹介!|採用する際の注意点は?

【外国人雇用に役立てる!】日本で働くミャンマー人の性格や気質などの特徴を紹介!|採用する際の注意点は?

目次

東南アジア北西部に位置し、現在軍事政権化にあるミャンマー。日本には、約48,000人(2022年6月末現在)のミャンマー人が在住しており、国内情勢が原因で、日本で働くミャンマー人は急増しています。▶️参考:外務省HP

本日は、そんなミャンマー人の特徴について紹介していきます。

ミャンマー人の雇用を考えている企業様や、既に雇用している企業様は、ぜひ最後までご覧いただき、社内で役立てていただければと思います。

なお、YouTubeでも、弊社のミャンマー人社員が、ミャンマー人の特徴をご紹介していますので、併せてご覧ください。


ミャンマーの基本情報

ミャンマー人の特徴に入る前に、ミャンマーという国の基本情報をおさえていきましょう。

ミャンマーの基本情報一覧
JETRO外務省HPを参考にジンザイベースが作成

人口と面積|平均年齢は27歳!

ミャンマーの正式国名は「ミャンマー連邦共和国」、東南アジアのインドシナ半島の西海岸に位置し、中国・タイ・ラオス・バングラディシュ・インドと隣接しています。

Googleマップ:ミャンマー国の位置
GoogleMapより

国土面積は、約68万㎢と日本の約1.8倍の広さがありますが、人口は約5,753万人と日本の半分以下です。

平均年齢は27歳と非常に若く、さらに年齢の分布は、

年少人口(0〜14歳)が約29%、生産年齢人口(15〜64歳)が約66%、65歳以上人口の割合が約6%

となっており、65歳以上の高齢者が約28%を占める日本と比較しても若い人口の割合が多い国ということが分かります。

首都はネーピードーで、2006年10月にヤンゴンより遷都しました。しかしながら、人口や経済的・文化的にもまだ前首都のヤンゴンが強く、外資系企業を含めた民間企業もそのほとんどがヤンゴンを拠点としており、日本大使館もヤンゴンに設置されています。

通貨は、チャット(Kyat)といい、国際通貨コードはMMK。(※2023年8月2日時点で 1チャットは0.068円)

民族と言語|英語も通じる!

ミャンマーには、135の民族が存在するといわれています。そのうち、ビルマ族が約70%を占め、残りの約30%が少数民族です。

ビルマ族は中央平原部を中心に居住し、 他の少数民族は主に国境の山岳地帯等に居住しています。

多民族のそれぞれが独自の言語を持っているようですが、ミャンマー共通の公用語は「ミャンマー語」です。

もともとイギリス領であったミャンマーは、イギリスの教育システムを取り入れていて、義務教育は幼稚園から始まり、幼稚園から英語を学びます。 しかし、一般のミャンマー人は日常の生活で英語を使う機会がそれほど多くないため、日本とほとんど同じで英語を話せない状況です。

ただ、小さい頃から英語に触れていたこともあり英語に対する理解は日本より強く、外国人が多いホテルの従業員やタクシーの運転手などでは英語を話す人が多いです。また、大学まで進学した若者たちは、英語で授業を受けているため問題なく話せる方が大半を占めています。

主要産業

主要産業は、農業、天然ガス、製造業です。

・農業

ミャンマーは日本の1.8倍ほどの広大な国土を持ち、土壌や河川など農業に適した環境を持つ農業国です。

特に、軍事政権は農業に重点を置いた政策を実施し、GDPの40~60%を占めていましたが、近年はサービス業の伸びにより縮小傾向にあります。

若年層の都市部・海外への流出が進み、高齢化と人口減少が問題となっています。主要作物はコメ・サトウキビ・豆類で、特にコメが重要視されています。

・天然ガス

ミャンマーの天然ガス生産量は21世紀に入り増加していましたが、近年は減少傾向にあり、特にアンダマン海のイェタグン天然ガス田での生産量が大幅に減少しています。

しかし、ミャンマーの大水深には未知の有望な鉱区が複数あるため、この未開発の深海鉱区に多くの海外企業が参加意欲を示し、PS契約の見直しの動きが加速しています。

・製造業

ミャンマーは人件費が中国の2割ベトナムの3-4割程度であるため、縫製や履物などの労働集約型の製造業の受け皿として期待されています。

縫製業は中国やインドネシアから輸入した素材を使い、国内で縫製して日本や韓国などに輸出する委託加工取引(CMP)が主流です。

EUやアメリカ市場への輸出の増加が期待されますが、カンボジアやバングラディシュとの国際競争が厳しくなる可能性があります。

主要貿易品目及び貿易相手国は以下の表のとおりです(参考:「外務省HP」)。

主要貿易品目貿易相手国
① 輸出
  衣類、天然ガス、米、豆類、ベースメタル・鉱石
② 輸入
  精油、ベースメタル・製造品、化学・合成繊維、機械類、プラスチック
① 輸出
  中国、タイ、インド、日本、米国
② 輸入
  中国、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、インド

ミャンマーの国内情勢|軍事政権化の現状

ミャンマーは大統領を元首とする共和制国家でしたが、2021年のミャンマークーデターにより、国家行政評議会議長を事実上の国家指導者とする軍事政権となりました。

その結果、ビジネスや人の移動が制限され、ミャンマーに進出していた外資系企業については、撤退を余儀なくされているところも多く、国民生活にかなり影響がでています。

そのため、離職率が非常に高くなり、海外、特に日本に人材が流出しているという状況です。

注目すべきポイントとしては、流出しているミャンマー人の多くが大学卒業レベルという点です。大学を卒業しても国内で就労する先を見つけることができないことから、そのような外国人が仕事を求めて日本に来日しているという状況なのです。

ミャンマー人は特例措置(緊急避難措置)が認められている

ミャンマー本国のこのような情勢を踏まえ、日本では、在留ミャンマー人への緊急避難措置が取られ在留や就労が認められております。

本措置においては、下表の「これまでの取扱い」記載の「特定活動」の在留資格が許可されておりますが、今なお事態の改善に 向けた動きが見られないことから、2022年4月15日から、下表の「新たな取扱い」記載の「特定活動」の在留資格が認められることになりました。

在留ミャンマー人への緊急避難措置について
出典:出入国在留管理庁「本国情勢を踏まえた在留ミャンマー人への緊急避難措置(改訂)

また、難民認定申請をする在留ミャンマー人も増えており、出入国在留管理庁は、

「難民認定申請者については、審査を迅速に行い、難民該当性が認められる場合には適切に難民認定し、難民該当性が認められない場合でも、上記と同様に緊急避難措置として、在留や就労を認めることとしました。」

としており、難民申請が認定されると、在留資格「定住者」が付与されるため、基本的には日本人と同様に、どのような仕事にも、どんな労働形態でも、時間の制限なく働くことができるようになります。

それぞれの在留資格の詳細については「【在留資格とは】種類や取得要件、ビザとの違いなどを簡単解説」をご覧ください。

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ミャンマー人の国民性(性格・気質・国民性)

ここからは、ミャンマー人の性格や気質、国民性などの特徴を紹介していきましょう。

前提として、ミャンマー人の特徴は、その人によって異なり、一概には言えません。弊社のミャンマー人社員から聞き取った情報をもとに紹介していきます。

思いやりの精神|世界寄付指数世界第2位!

ミャンマーは世界有数の寄付大国であることをご存知でしょうか?

イギリスの慈善団体Charities Aid Foundationが実施している調査で「世界寄付指数」というものがあり、以下の3つの事項をインタビューしてランク付けがされます。

  • 見知らぬ人を助けたか?
  • チャリティー団体に寄付したか?
  • ボランティア活動をしたか?

2019年から過去10年間を対象にしたランキングの上位は、  

1位:アメリカ

2位:ミャンマー

3位:ニュージーランド

4位:オーストラリア

5位:アイルランド  

とミャンマーはアメリカに次ぐ順位となっています。

ちなみに日本はというと、2022年はワースト2位、2021年は最下位という残念な結果となっています。

親や家族の意見を大切にし、目上の人を敬う

ミャンマーでは親の意見が一番になるケースが多いです。

そのため、ミャンマー人を雇用する場合には、仕事と家族との優先順位について、あらかじめ確認しておいた方が良いでしょう。

ただ、日本で働くミャンマー人は比較的仕事優先の方が多くなっていることから、そこまで心配する必要はありません。

また、ミャンマー人は目上の人をよく敬うと言われていますが、これはミャンマー人の多くが仏教徒であることが影響しているようです。

さらに、目上の人との食事の際は、「いただきます」という文化がないため、目上の人が食事を始めることが食事開始の合図となっています。ミャンマー人と一緒に食事に行く際は気をつけましょう。

阿吽の呼吸は伝わらない

日本における、空気を察する阿吽の呼吸などの曖昧なコミュニケーションは、ミャンマー人には伝わるのでしょうか?

結論、阿吽の呼吸は難しいです。

コミュニケーションを取る場合には、曖昧な表現はなるべく避けて、具体的な表現を意識した方が良いでしょう。

人前で叱らない方が良い

ミャンマーでは「穏やかさが尊ばれる」という文化を持っているため、幼少期から家庭や学校で怒られたことがない方が多いです。

特に、人前で叱られるとひどく傷つき離職につながるケースもあります。そのため、ミスがあっても感情的に叱ることは避け、穏やかに間違いを指摘してあげる仕事をする上での注意やアドバイスなどは人前では行わず、別室などで個別に対応するなどの対応をした方が良いでしょう。

ストレートに主張するタイプ

ミャンマー人は自分の考えをストレートに主張するタイプの方が多く、感情も表に出やすい性格の人も多いです。

この点は、日本人の特徴とは相容れないところですが、普段は温厚な人が多いので、日常のコミュニケーションをする上では特に問題はないでしょう。

ミャンマーは親日国

日本で働くミャンマー人が増加傾向にあることに加え、現地に日本語学校が設立されたりと、日本語や文化を学ぶミャンマー人は最近増えてきております。

したがって、ミャンマーは親日国と考えていただいて問題ありません。

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ミャンマーの宗教事情|90%が仏教徒

続いて、宗教事情を見ていきましょう。

ミャンマー人が信仰している宗教は、約90%が仏教、次いでキリスト教が約5%イスラム教が約4%となっております。

前述のとおり、仏教徒が90%ですが、ミャンマーの仏教では、特に食べられないものはありません。ただ、自分の誕生日や神様の誕生日など特別とされている期間については、動物性のものは食べず、野菜しか食べることができないようです。

ミャンマーの教育制度

ミャンマーの教育課程は ①基礎教育 と ②高等教育 に分けられます。

①基礎教育

日本で言う、幼稚園+小学校・中学校・高等学校が含まれ、年数は、それぞれ、5年、4年、2年となっていて、幼稚園に入学する際の年齢は5歳、高校卒業時は16歳でしたが、2016-17年度より11年制から「幼稚園+12年生」制への移行が導入され、

  • 5歳で幼稚園
  • 6歳から10歳(Grade 1- Grade 5)で小学校課程
  • 11歳から14歳(Grade 6- Grade 9)で中学校課程
  • 15歳から17歳(Grade 10- Grade 12)が高校課程

となり、2022 年度には、その制度に則った高校卒業生が誕生する予定です。

②高等教育

高等教育は日本で言う大学教育以後を指しています。

高校課程Grade11終了の試験の点数と居住地によって、申請できる大学が決められるため、日本のように行きたい大学に受験する事ができませんでした。

しかし、2018年度より一部の大学において独自の入試の実施が始まったことで、その大学を希望する者はそこに願書を送付することができるようになりました。

それでも、基本的にはGrade11の試験結果に基づいて、大学側が願書の精査・面接により、合格者を選抜するというシステムが採用されており、日本で言う推薦入学に近い状況ではあります。

ミャンマーのお仕事事情

続いて、ミャンマーのお仕事事情についてみていきましょう

ミャンマーの給与水準|生活水準

ミャンマーの月給は高卒で約1万5千円程度、大卒で2万円から3万円で、日本の平均初任給と比較して、1/10程度で、物価は日本の1/5から1/2程度です。

ミャンマーの給与体系

ミャンマーの給与体系について、個人の成果によって昇給していくシステムを採用している企業が多くなっています。そのため、特に年功序列型の給与システムを採用している企業様に関しては、事前に説明をしておいた方が良いかもしれません。

ミャンマー人はすぐ転職する?

自分に合わなければすぐに転職する人が多く、転職をネガティブにとらえている人は少ないです。その人が優秀な経歴であれば、企業側も同じく、転職回数を特に問題視することはないようです。

そのため、日本でミャンマー人を雇用する際には、転職回数よりもその人が優秀かどうかという視点で選考をすることをおすすめいたします。

人気の職業

ミャンマーで人気の職業は、銀行や保険会社などの金融関係が多くなっております。

また、日本では、特定技能にフォーカスすると、以下の表のとおり、飲食料品製造業が一番人気で、次いで介護がきます。

2022年12月末現在特定技能外国人の人数
出典:「出入国在留管理庁HP

ミャンマー人にしてはいけないこと

ミャンマーに限らずではありますが、外国人を雇用する場合はそれぞれの国民性や文化を理解してあげることがとても大切です。

前述と重複する部分はありますが、ミャンマー人を雇用する際にしてはいけない事をいくつかご紹介します。

1.人前での叱責

ミャンマー人を人前で怒るのはタブーです。

穏やかさが尊ばれる文化を持っているミャンマーでは両親や教師、僧侶以外の人が、人前で叱る習慣があまりありません。

日本では仕事上の遅刻やミスはその場で注意することが一般的ですが、ミャンマー人に同じことをしてしまうと離職に繋がってしまうことも考えられます。

ミスがあっても感情的に叱ることは避け穏やかに間違いを指摘してあげる仕事をする上での注意やアドバイスなどは人前では行わず、別室などで個別に対応した方が良いでしょう。

2.はっきりと伝える、曖昧な指示を出さない

ミャンマー人と会話をする時は、曖昧な表現は避けストレートにはっきりと伝えることが大切です。自分の考えをはっきりと伝え、感情が顔に出やすい性格の方が多いため、遠回しに伝えられたり、曖昧な表現で伝えられることに慣れていないからです。

「〜はしないほうが良い」「〜は望ましくない」などの曖昧な表現ではなく、「〜はやめてください」とストレートに伝えましょう。

3.女性へお酒を勧めない

ミャンマーは国民の9割が仏教徒と、仏教への信仰があつい国です。 そのためか、飲酒の文化は、日本ほどおおっぴらな雰囲気ではありません。

特に、女性が人前でお酒を飲んではいけないという風習があるため、女性のアルコール摂取量は日本と比べてもかなり少ないです。

最近はこの風習も少し変わってきているようですが、気にするミャンマー人女性も多いため一緒に食事に行く際は注意が必要です。

ミャンマー人は日本語を学習する人が多い?

ミャンマー語と日本語は文法・構文が似ている

あまり知られていないですが、ミャンマー語と日本語は文法・構文の面で類似点が複数あります。そのためミャンマー人にとって、日本語は他言語と比べ比較的習得がしやすいと言われています。

いくつか紹介すると、

語順が同じ

語順は日本語と同じく(S+O+V)(主語+目的語+動詞)の順になっています。

助詞がある

日本語と同様にミャンマー語にも助詞があり、例えば、所有を表す「~の」や起点を表す「~から」などの助詞が存在します。

丁寧語がある

日本語を習得する際に難しいのが尊敬語や丁寧語ですが、ミャンマー語にも丁寧語があります。例えば「好きだ」を丁寧な言葉にすると「好きです」となりますが、ミャンマー語にも一つの品詞に他の品詞がつくことで丁寧さを表したりすることがあります。

動詞の活用形が類似

ミャンマー語と日本語は、動詞の活用形が類似しています。過去形や未来形、命令形など、動詞の意味や時制に応じて語尾が変化する点が共通しています。

このようにミャンマー語は日本語と類似点も多いのが特徴です。

日本語学習ブーム?

国際交流基金が 3 年おきに実施する、世界の日本語教育機関調査によれば、ミャンマーの日本語学習者は、2012年3,000人から2018年35,600人と大きく増加している。

これは2011年の民政移管後、日系企業の進出などにより日本語を教える民間機関が一気に増えたことや、日本文化に高い関心を持つ親日国で若年層でも日本にあこがれを抱く者が多いことが要因として考えられる。

日本にはどのくらいミャンマー人が在住している?

前述の通り、ミャンマー語と日本語との親和性の高さ・日本語学習のブーム・本国情勢不安による緊急避難措置などの影響から、在留ミャンマー人の数は年々増え続けております。

以下のグラフの通り、2015年12月末の13,717人から2022年12月末の56,239人と約4倍となっており、さらに、2021年12月末からの1年間で見ると、+18,993人と急増していることが分かります。

グラフ_在留ミャンマー人数の推移
出入国在留管理庁「在留外国人統計」を参考にジンザイベースが作成

人手不足に悩まれている企業様へ

実際に、ミャンマー人をご紹介させていただいた企業様からは、かなり高い評価をいただいています。

また、明るく、仕事を頑張る人も多いので、すぐに会社に貢献できると考えております。一方で、コミュニケーションの取り方など日本人とは大きく異なる部分があり、その点がネックになっている企業様は多いのではないでしょうか?

しかしながら、入社前にしっかりとコミュニケーションをとり、事前にルールを設けることで、課題はクリアできると思います。

人手不足に悩まれている企業様、ミャンマー人の雇用を一つの選択肢に加えていだければと思います。

終わりに

当社は、ミャンマー人を含めた特定技能外国人の紹介や支援活動の代行などに対応させていただいております(ミャンマー人の正社員も所属しているため、きめ細かいサポートも可能です。)。

特定技能制度を活用したミャンマー人の採用をご検討されている方は、ぜひこちらのお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

記事内CTA_問い合わせフォーム誘導
カテゴリ:
採用ノウハウ
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中林 俊介

株式会社ジンザイベースマーケティング部「Jinzai Plus」編集長 1988年11月生まれ。関西外国語大学スペイン語学科卒業後、2014年に東京都庁へ入都。三宅島での地方創生事業、ラグビーワールドカップやオリンピックなど様々な事業に従事。2021年に行政書士試験に合格し、2023年5月から株式会社ジンザイベースに入社、同年6月外国人雇用労務士試験に合格。プライベートでは、一児のパパ、仕事も家族も両方本気で向き合う!!という気持ちのもと日々猛進中。