【FAQ】特定技能制度のよくある質問へ登録支援機関の経営者が回答します!

【FAQ】特定技能制度のよくある質問へ登録支援機関の経営者が回答します!

目次

今回は、特定技能外国人を雇用する際に、受け入れ企業様からよくいただく質問事項をリスト化し、登録支援機関の経営をなさっている弊社代表中村に回答してもらいました。なお、本記事は先日YouTubeで撮影した動画の内容をもとに編集し、記事化しております。動画形式でご覧いただけますので、ぜひご覧ください↓

特定技能提案時や支援現場でよくいただく質問

入社までにどのくらい時間がかかりますか?

1ヶ月〜6ヶ月の間になるのではないでしょうか。

特定技能で最も一般的なのは、「必要書類の回収」「申請書類の作成」「在留資格の許可」まで見たときに、大体2ヶ月前後が多いんじゃないかなと思います。

建設業の場合は、国土交通省への申請があるので、まずはそこの許可を取得してから、入管へ在留資格申請を実施するという流れになります。ここの申請スケジュールがずれ込むことが多いので、6ヶ月という風にお伝えをしています。

1ヶ月というのは、特定技能に切り替えることができる有資格者(技能評価試験と日本語試験の合格者もしくは、技能実習修了者)がいた場合、特定活動(在留期間:4ヶ月)の在留資格を取得することができます。特定技能の準備のためという位置付けになっており、仕事ができるビザになっています。これは比較的早く許可が下りるケースがあり、場合によっては1ヶ月未満で下りることもあったりします。

そういった背景から1ヶ月〜6ヶ月の振れ幅があるという形ですね。

特定技能外国人を雇用する際の費用を教えてください

多くの人材紹介会社では、人材紹介料を取ってると思います。ここはかなり幅があるので、各企業毎にバラバラですが、一般的な水準をお伝えするならば、約10万半ばぐらいから20万半ばぐらいとかっていうのがよく見るラインですかね。

行政書士や登録支援機関にビザの切り替えをお願いする場合、申請代行手数料というのが2つ目に発生してきます。あくまで自社で必要書類を集め、申請書類を作成するのであれば、ここの手数料は発生しませんが、多くの会社さんでは依頼されるケースが一般的かなと思います。

あとは、登録支援機関として義務的支援を代行するための支援委託費として、おおよそ月々2万〜3万ぐらい、というのがよく見る相場観かなと思います。

まとめると、大きな部分としては、「人材紹介料」「ビザ申請代行費用」そして、「月々の支援委託費用」この辺りが中心になってくるかなと思います。より詳細については「【特定技能外国人の受け入れ費用まとめ】費用相場もあわせて紹介」をご覧ください。

日本語って実際にどの程度のレベルですか?

上手な人だとN2、多いのはN3程度、職種(特に建設業)によってはN4中心ですね。

N4になってくると、本当に基本的な会話が通じる程度っていうようなイメージです。このレベルだと、コミュニケーションにおいてはまだまだ難しいというのが実情ですね。

逆にN2になってくると、ほぼ日常会話は問題なく、業務上の指示も通じるレベルです。特に留学生から特定技能へ移行されるケースの方でN2クラスの方が多い印象です。人によっては、リーダークラスとして活躍してるケースもありますね。

ただ、やっぱりボリュームゾーンとしてはN3〜N4の方が多いですね。特に技能実習から移行される方が該当してきます。

宗教が業務に影響することはありますか?

ないんじゃないですかね。というのも、気になる点に関しては、求職者側も面接時に確認するケースが多く、企業側は日本人の場合、宗教がなかなか理解できないということもあるので、結構細かく聞くケースも多いと思います。

ただ、事前の交渉や調整が必要になることはあるかもしれないです。例えば、インドネシアの方々だと、結構熱心なムスリムの方がいたりするときに、「1日に何回かお祈りを捧げないといけない」と、企業へ交渉をするような人もいます。

そういった面接時での確認や交渉をクリアした上で、何か後から問題なるというのは、あるかもしれないですが、僕は聞いたことないです。

また、よくあるものとしては食事のときですね。豚肉、牛肉食べれないとか、みんなで宴会する時は特に店選びに多少気を使うとか。ただ、業務に関して宗教が直接影響する、しないということは、面接時に事前に確認すればクリアできると思いますね。

面接時に特に注意するべきポイントは何かありますか? 

聞くというよりかは、理解させるってことの方が大事かなと思っています。

結局、後から話が違うと言う人はやっぱりいます。なので、まず懸念になりそうなことは片っ端から洗い出して、求職者側が聞かなくても、企業側から話をしていくことが大切だなと感じています。

ある意味、性悪説じゃないんですけど、悪い想定をした上で出てきそうな問題点をあらかじめ提示して、納得・合意を得ておくってことは非常に重要かなと思いますね。そういうところって、雇用条件書・契約書だけではわからない部分があるので。

例えば、「残業がどれぐらいあるか」や、「休日出勤が発生する」など、そういうネガティブな現実って仕事の中でよく起きると思います。あらかじめ面接時に「そういうこともありますけどよろしいですか」っていう確認はしておくべきですね。

事前に伝えるべきことは全て伝えていく、ネガティブ・ポジティブも含めて。採用しようとせずに、「納得してくれるんだったら一緒にやろう」っていう形で進めていくといいんじゃないかなと思います。

技能実習だと失踪が発生すると聞きますが、特定技能はありますか?

なくは、ないですね。ちょっと歯切れが悪い回答になるんですけど。

ただ、特定技能外国人側にとって、基本失踪する意味ってないのかなと思います。「技能実習」の場合は、基本会社を辞めることはできないので、帰るか、逃げるかしか方法がありません。

一方、特定技能の場合は、失踪しなくても、「じゃあ辞めます、他の会社行きます」とか、「帰ります」って言えばいいだけの話なので、そのプロセスを踏まずに、わざわざリスクを犯して、失踪という手段をとる人が果たしているのかどうかっていうことですね。正直、失踪する意味はあまりないですね。

なので、失踪するよりかは、転職する方が一定数いらっしゃるという話になりますね。日本人の場合と同じです。

詳細については、「【特定技能における転職】転職ができる条件や手続きなどをまとめて解説」をご覧ください。

特定技能の制度・ルール面でよくある質問

特定技能評価試験・日本語試験に合格する前に内定は出せる?

自由です。試験に合格する前だとしても、合格していないという人にでも内定は出せます。

ただ、合格していない人に内定を出して、その後、試験に合格できなかった場合はビザの取得ができません。結果、入社ができなくなるケースが発生する可能性があります。

一定のリスクがあるというのを理解した上で内定を出す、出さないをご判断いただければと思います。

特定技能外国人はどのような方法でリクルートすれば良い?

結論、日本人を雇用する際と同じやり方でも、応募や問い合わせはきますね。

一方、特定技能で特徴的な募集方法としては、海外の「送り出し機関」を活用して、国外在住者を募集するという方法と、「登録支援機関」をはじめとした、人材紹介会社に募集をお願いすることができることですかね。

求人媒体へ掲載することでも、該当者が応募して来ることがあります。特定技能の有資格者という表現をしながら、情報発信していけば集まると思います。

ただ、正直なところ、FacebookをはじめとしたSNSで広告を流すのが一番楽だと思います。ただ、その国の言語で求人表を作成し、広告クリエイティブや求職者対応することができるのが前提ですが。

特定技能外国人を雇用する際、受け入れ企業は認定を受ける必要がある?

これは業種によって対応が異なってきます。

認定というより、「業界団体や協議会への加入」が基本的には全職種で求められてきます。その団体への加入タイミングが、特定技能1号の在留資格「申請前」か、「申請後」かっていうのは業種によって異なってきますが。

また、建設業だと、「建設業許可」を取得する必要があったり、宿泊業であれば、「旅館・ホテル営業の許可」が必要など、業界ごとの許認可・免許を持っているかどうかが、一部問われるケースがあります。これも職種によりますが。

特定技能外国人に付与される在留期間はどのくらい?

大体1年です。その後、年に1回の更新を5年繰り返すっていうパターンが一番多いです。

稀に、4ヶ月や6ヶ月で許可が下りるケースもあるみたいですが、正直、周りで聞いたことないですね。よっぽど何か素行不良があったりとかじゃない限り、6ヶ月や4ヶ月は出ないですね。

なので、基本は1年の在留期限が付与され、毎年更新して最長5年日本に滞在できるケースが一般的ですね。

技能実習から切り替えるときに、一時帰国する必要がある?

必要ありません。日本にいたまま切り替えができます。

「技能実習2号」から「技能実習3号」に移行するときには、最低でも1ヶ月、母国へ帰国させないといけないという制度があるので、よく質問いただきますが、特定技能の場合は帰国することなく、すぐ在留資格の変更手続きができます。

一方で、外国人本人の希望で一時帰国することは自由にできます。ただ、どのタイミングで帰国してもらうかによって、いろいろ手間は変わってくる時はありますが。

具体的には、「特定技能1号の申請前に帰る」のか「申請後に一時帰国する」のか、「許可が下りてからする」のか、こういった状況によっていろいろな手続きであったり、流れが変わってきます。ただ、許可後に帰っていただくのが一番ですね。余計な手続きや在留期限切れなどの心配もなくなるので。

国民年金や住民税の滞納が発覚した場合は認定は降りる?

これはケースバイケースなんですが、特定技能1号の在留資格申請時に、その滞納を解消し、解消に至るまでの経緯を入管に報告した上で相談するっていう流れになると思いますね。

ただ、住民税とか年金の滞納においても、しっかりと未納額を解消したのであれば、基本的にビザの許可は下りるのかなと思いますけどね。それで駄目になったってのは聞いたことないです。

一方で、留学生などで、学校を退学しちゃった、除籍になってしまったというケースは注意が必要です。辞めた理由と、留学生として勉強に励んでいたときの在留状況・就学状況によって、審査状況は変わってきます。

要は、全然学校に行ってなくて、バイトばかりしていたケースだと、かなり厳しいです。その辞めた理由も、仕事をいっぱいしたいからなど、本来の留学生としての在留資格に沿った動きをしていなかった場合も同様に厳しくなってきます。

なので、個別においてのケースバイケースで変わってくると思います。

特に、退学して週28時間以上働いていたっていうケースも絶望的です。この週28時間以上というラインを超えて働いたときは、不許可になることが多いです。ここが一番厳しく見られているっていう話はよく聞きます。

外国人材側も、給料を現金手渡してもらってれば、週28時間を超えて働いても大丈夫だって思っている、全く自覚されてない方も多かったりします。なので、課税証明書や納税証明書などの公的書類を見たときに、申請する側としても初めて把握するっていうことはよくありますね。働きすぎの部分に関しては、留学生に限られますが、要注意ですね。

技能実習時の給与と同等額で特定技能外国人を雇用できる?

業種によります。

例えば、建設業だと基本給が実習時と比較して、上がっている必要があります。ちなみに、月収にみなし残業とか入っている場合に、給与総額として上がったとしても、基本給として上がってなかったらNGになります。

各業種・分野においてのルールを確認しておく必要があります。ただ、基本は技能実習時と比べて給与額を高く設定していただいている会社さんであれば問題ありません。

技能実習生として実習中の外国人を特定技能として雇用可能?

できないですね。

一部例外が何かあったような気がするんですが、事例としてよくある話でもなかったりするので、基本的に無理だと思ってもらった方がいいです。

技能実習から特定技能に移行する場合は、「満了した方」や「満了見込の方」が対象となってきます。満了見込みの方の場合、大体実習満了日の2ヶ月前ぐらいから、特定技能1号の申請を受け付けてもらえます。

一時帰国の期間は特定技能の5年に算入される?

特定技能のビザを取得した上での一時帰国であれば、当然算入されます。一方、特定技能のビザ取得前の場合は、算入されません。

また、一時帰国の場合は、帰国航空券などの費用は、特定技能外国人本人負担で問題ありません。

別会社等で、アルバイトや副業をさせることは可能?

できません。

「技術・人文知識・国際業務」とかだったら、その在留資格に伴った活動であればOKですが、特定技能は駄目ですね。

実際に、特定技能外国人の方で、クラブで副業をしていた方が摘発されたケースもあったりします。詳しくはYouTube「【受け入れ企業様も要注意】外国人が副業するのはNG!?」をご覧ください!

「特定技能」の在留資格から、永住許可は認められますか?

現状、認められていません。

自動車を運転して、通勤しても良いですか?

普通にOKです。免許自体も、誰でも取れます。

ただ、免許の切り替えに関しては、注意が必要です。国によっては、再度免許を取得し直さないといけない国もありますので。

詳細については、「【運転免許】外国人の運転免許取得と切り替え方法とは?」をご覧ください。

会社に同じ業務に従事する日本人がいないのですが、同等報酬要件はどのようにして証明すれば良いですか?

まず、賃金規定に基づいて報酬をいくらにするか判断します。

賃金規定がなくて、同等業務に従事する日本人がいない場合、「特定技能外国人が従事する業務と近しい業務を担う日本人の方」を対象として、年齢や経験年数を比較検討して報酬を決定します。

新規事業などの場合は、「雇用契約書記載の報酬額」と「入管が保有する同業他社における同等業務に従事する方の報酬額」とを比較検討します。

基本は「同一労働同一賃金」のルールと「最低賃金」のルールをクリアしていれば、特段問題ありません。

往復の航空運賃は受け入れ企業が負担しなければなりませんか?

負担しなくて大丈夫です。

ただし、送り出し機関を使い、国外から呼び寄せる場合だと、送り出し機関が人材を集めやすいように、「企業が航空券代を負担してくれるよ」と言ってるパターンが多いと思います。

結局は、どういう形で募集するか、どんな人材が欲しいか、その時の募集条件などによって、人材側・企業側どちらが航空運賃を負担するのか変わってくると思いますね。ただ、基本は外国人本人が運賃を負担するケースで問題ありません。

一方で、空港〜自宅or自宅から空港間の送迎費用は、登録支援機関に委託してるようであれば登録支援機関が負担した上で迎えに行く形になります。支援がない場合だったら自分たちで迎えに行かなきゃいけません。

ここに関しては本人負担にはできないこととなっています。

技能実習から切り替える場合でも、事前ガイダンス・生活オリエンテーションは絶対にやらないといけないですか?

どちらもやらないといけないですね。

技能実習ですでに3年いたとしても、定められた時間関係なしに実施が必須です。

事前ガイダンスであれば3時間程度、生活オリエンテーションであれば8時間程度(技能実習からの切り替えの方は4時間程度)の実施と規定されており、この時間未満での実施だと、適切に実施がなされたと認められない可能性がありますので、注意してください。

また、実施方法としても、対面もしくはzoomのようなテレビ電話で、特定技能外国人の理解できる言語で実施しましょう。(単に事前に撮っておいた動画を視聴してもらうのみだとNGです。)

特定技能外国人は一定の日本語水準をクリアしていますが、それでも日本語取得の支援が必要ですか?

はい。日本語を勉強するボランティアや教材等の案内をしないといけません。

ただ、義務的支援で求められているのは、あくまで情報提供のみで、特定技能外国人本人が実際にボランティアに参加等するかどうかは本人次第です。

二国間協定を締結していない国からも特定技能外国人を受け入れ可能ですか?

条件(技能試験と日本語試験に合格すること)を満たせば、二国間協定を締結していない国からでも、受け入れることができます。

試験に受かっている方であれば、例えば韓国人の方であったとしても、特定技能1号の申請ができます。

ただし、二国間協定を締結していない国では、技能試験を実施していないので、その場合は「短期滞在」などで来日し、試験を受験する必要があります。

実際に、外食業の特定技能で日本にいきたいというベトナム在住の方が、ベトナムで外食業試験をやってないので、カンボジアに行って試験を受験していたりします。

編集後記

今回は、特定技能制度をご提案する際に、受け入れ企業様からよくいただく質問について、登録支援機関の経営者にズバズバ回答してもらいました。もし、ここに記載のない事項で、何かお困りごとがありましたら、ぜひ弊社までご連絡ください

記事内CTA_特定技能お問い合わせフォーム

また、弊社では特定技能外国人の紹介事業、特に外食業と宿泊業の企業様向けの紹介実績に強みを持っています。人手不足でお困りの企業様は、ぜひ以下のサービスサイトからお問い合わせください。

・外食業の企業様はこちら:https://jinzaibase.co.jp/lp
・宿泊業の企業様はこちら:https://jinzaibase.co.jp/accommodation

カテゴリ:
特定技能
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中村 大介

株式会社ジンザイベースCEO。1985年兵庫県神戸市生まれ。2008年に近畿大学卒業後、フランチャイズ支援および経営コンサルティングを行う一部上場企業に入社し、新規事業開発に従事。2015年、スタートアップを共同創業。取締役として外国人労働者の求人サービスを複数立上げやシステム開発を主導。海外の学校や送り出し機関との太いパイプを活用し、ベトナム、インドネシア、タイ、ミャンマー、バングラデシュの人材、累計3000名以上の採用に携わり99.5%の達成率にて、クライアント企業の事業計画の推進に成功。このノウハウを活かし、パフォーマンスを倍加させた新しいシステムを活用し、国内在住の外国人材の就職の課題を解決すべく2021年に株式会社ジンザイベースを創業。趣味はキャンプとゴルフ。